最高級の3Dゲームビデオカード?GeForce 6800 Ultraの実力を探る(前編)(2/2 ページ)

» 2004年04月27日 19時57分 公開
[トライゼット西川善司,ITmedia]
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3DMark03 Build340 〜先代や競合と比較して3DMark値は2倍、PixelShader2.0テスト値は3倍に!

3DMark03 Build340 Score
3DMark03 Build340 Fill Rate(Single)
3DMark03 Build340 Fill Rate(Multi)
3DMark03 Build340 VertexShader
3DMark03 Build340 PixelShader2.0

 解像度1024×768ドットはテスト設定を3DMark03の起動時のデフォルト設定で計測した。なお、3DMark03開発元のFuturemarkは3DMark03用のドライバとして、GeForce 6800 Ultraに限ってバージョン60.72の使用を認めていることから、GeForce FX 5950 Ultraでの測定は現行最新バージョンの56.72を使用して実行した。また、このテスト以外ではGeForce FX 5950 UltraもGeForce 6800 Ultraと共に提供されたドライババージョン60.72で動作させている点をご了承頂きたい。

 3DMark値は、PC用GPU製品としては初めての1万超えを達成。GeForce 5950 Ultra、RADEON 9800 XTの実に約2倍のスコアとなっているのは驚きに値する。フィルレート(FillRate)テストも同様にGeForce FX 5950 Ultra、RADEON 9800 XTの約2倍のスコアとなった。この二つの結果は、GeForce 6800 Ultraの16アクチュアルパイプラインの効果がスコアに大きく影響したと見ていいだろう。

 VertexShaderテストは、RADEON 9800 XTの約1.5倍のスコアを記録。このスコア比はちょうど両者の頂点シェーダユニットの個数比となっているのが興味深い(GeForce 6800 Ultraは6個、RADEON 9800 XTは4個実装している)。

 PixelShader2.0テストはGeForce FX 5950 Ultra、RADEON 9800 XTの約3倍という、パイプライン数以上にスコアが伸びている。

 これはなぜか?

 GeForce 6800 Ultraでは、各パイプラインにシェーダユニットが二つずつあり、

(1)シェーダユニット1がテクセル処理をしないとき

(2)シェーダユニット1とシェーダユニット2で同時に実行しようとしているそれぞれの命令に依存関係がないとき

 以上の条件を満たす場合、両シェーダユニットがスーパースカラ動作(並列動作)できる特徴をもつ。PixcelShader2.0のテストでは、木目テクスチャの生成そのものを算術的に行う比較的長いシェーダ(プロシージャル・テクスチャの生成シェーダ)を実行しているので、このスーパースカラ動作のメリットが顕著に出てきたと思われる。

GeForce 6800 Ultra全体のブロックダイアグラム
GeForce 6800 Ultraの頂点シェーダユニットの詳細
GeForce 6800 Ultraのピクセルシェーダユニットの詳細
各パイプラインのシェーダユニットは2基構成。テクセル操作がなくて、命令に依存関係がなければスーパースカラ動作が可能だ

 解像度1280×1024ドットでは、アンチエリアス処理を有効にし、テクスチャフィルタリングに異方性フィルタリングを適用して実行。一方、1600×1200ドットでは異方性テクスチャフィルタリングのみを適用して実行してみた。GeForce FX 5950 UltraとRADEON 9800 XTに対する3DMark値の開きはさらに広まり、その倍率は2倍以上になっている。高負荷な描画になるほどGeForce 6800 Ultraの実力が発揮されると言ったところだろうか。

3DMark01SE〜Game4テストでしか差を付けられないためにスコアは僅差となる

3DMark01SE score

 3DMark01SEにおいても3DMark値はGame1〜Game4テストのフレームレートから算出される。3DMark03に比べ3DMark01SEの3DMark値に差の開きが少ないのは、描画負荷が少ないGame1〜Game3テストのスコアに差がないからだ。3DMark01SEではPixelShaderの動作が絡んでくるGame4でしかスコアの差が付けられないため、こうした結果になってくる。

FINALFANTASY XI オフィシャルベンチマークソフト2〜トップはGeForce 6800 Ultraだがその差はわずか

FINALFANTASY XI オフィシャルベンチマークソフト2

 シェーダ処理のパフォーマンスを推し量ると言うよりは、ジオメトリ負荷テストやマルチテクスチャリング性能を試す意味合いの強いFFベンチ2。各GPUの特性が表れにくいためか、スコアはGeForce 6800 Ultraがトップを獲得したものの、RADEON 9800 XTとの差はわずかだ。FFXIをプレイすることを前提にGPUの買い換えを考えているのであれば、GeForce6系で得られるメリットはそれほどないということになる。

AquaMark3〜アンチエリアスとテクスチャフィルタリング有効時に野太いパフォーマンスを発揮

AquaMark3

 実ゲームエンジン系ベンチマークテストとして有名なAquaMark3だが、3DゲームにおけるGPUのトータルパフォーマンスというよりは、むしろGPUにおける特定機能のパフォーマンスを推し量るためのテスト構成になっている。

 GeForce 6800 Ultraは、ほぼ全テスト項目においてGeForce FX 5950 Ultra、及びRADEON 9800 XTに対して最低でも約20%以上高いフレームレートを記録している。とくにアンチエリアスやテクスチャフィルタリングを有効にしたときにGeForce 6800 Ultraのパフォーマンス低下が少ないのに注目したい。

 定番ベンチマークテストの結果は概ね良好で、かつて特定のベンチマークソフトにクレームを付けていたNVIDIAとは思えないほど、あらゆるベンチマークテストの結果で文句なしのトップスコアを叩き出してしまった。一連の結果を見る限り、GeForce 6800 Ultraは、いわゆるベンチマークマニアにも納得の性能を持っているといえるのではないだろうか。

後半へ続く。定番ベンチマークに加えて最先端ヘビー級3Dゲームでのパフォーマンスを検証する)

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