また、電源のファンだけでは冷却が足りない場合を想定したのか、拡張スロットに取り付けるタイプの冷却ブロアーが付属している。これは同社の「Cyclone」という製品で、単体で買うと15ドル弱はするようである。Cyclone自体の性能は、風量22立方フィート/分、騒音レベルは28dB、回転数は2200rpmとなっている。
電源ファンに比べると若干うるさいようなので、一度組み立ててみて、冷却性能に不安があるようだったら使用するとよいだろう。とはいえ、30dB以下であれば、通常使用している分にはあまり気にならない騒音レベルと考えていい。
Antecといえば「True Power」シリーズのような高品質の電源を出しているメーカーでもあるだけに、Ariaの電源ユニットもしっかりしているように見える。Ariaでは一般的なミニタワーやキューブケース用のものではなく、それよりも一回り大きい専用タイプの300W電源が使われている。このユニットの名称はAR300となっているが、Antecのサイトを見る限り、単体では販売されていないようだ。
実際に組み立てて本当に作業が簡単かどうかをチェックしてみたが……、やはり非常に簡単であった。
今回組み込んだマザーボードはAopenのMK79G-Nだが、背面のI/O部分のレイアウトが少々変わっているため、ユニバーサルI/Oパネルが使えないという問題があったが、それ以外に取り立ててトラブルはなかった。
作業は
(1)マザーボードを設置して各種ケーブル配線
(2)ドライブ用ケージにDVD-Rドライブをネジ止め
(3)ケージを本体に取り付け
(4)ドライブ類の配線
という手順で終了。フロントのUSB、8-in-1メモリカードリーダ/ライターはインターナル接続ができるようになっており、マザーボード上のUSB端子に接続するだけでよい。
今回はIEEE 1394コネクタをマザーボードが実装していなかったので、別途PCI対応のIEEE 1394インタフェースカードを差した。キューブ型でよく見られるPCIスロットが一つしか差せないケースと違い、三つも差せるとなるとあまり慎重にならずにPCIカードを使える。
Ariaのポイントである静音性も問題なく、筆者がメインマシンとして使用しているケースに比べてもかなり静かに感じた。気になったのはむしろAMDリーテルのCPUファン。ケースが静かになった分、ほかのパーツのファンが突出してうるさく感じてしまう。Ariaの静音性能を生かすためには、ほかのパーツの騒音対策も十分施す必要があるだろう。
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