バッテリーは前述の通り、単3形乾電池を2本使用する。付属の単3形ニッケル水素充電池のほか、単3形アルカリ乾電池や単3形ニッケルマンガン電池なども使用できるため、電源切れで困ることはそれほどないだろう。
ただ、単3形ニッケル水素充電池はリチウムイオン充電池よりも、必要となる充電時間が長いうえ、本体重量も重くなる。好みにもよるが、バッテリー持続時間の延びてきた最近では、単3形バッテリーを採用するメリットが少なくなってきているのは確かだ。
しかし、DSC-W1は付属の単3形ニッケル水素充電池で約170分、約340枚撮影できるという。これはCIPAで規定されたバッテリー持続テストでの値で、実際にテストしてみてもそれほど大きな差がなく、この値で撮影できた。単3形バッテリーを使用してこの数値は評価できる結果である。
ちなみにこれまでのソニーのテスト法で測定すると、連続で5400枚撮影できるらしい。実際の撮影でも予備のバッテリーを2本用意しておけば、1日中撮影してもバッテリーで困ることはなかった。
操作性は良好である。すべての操作が右手だけで行えるようになっている。本体上部のモードダイヤルは360度回転するうえ、シーンモードもダイヤルで決定できるので、撮影モードの選択は非常に楽だ。さらに撮影モードを動かすと液晶モニタにも現在どのモードが選択されているかが表示されるので、いちいち本体上部を見る必要がない。
ただしこれは、とても便利な機能なのだが、すぐに撮影したいときにはなかなか表示が消えず、被写体が見えないこともあった。シャッターボタンを押すなど、何か操作すれば即座に消えたり、半透明で表示されるとか、またはアイコンだけの表示であればなおよかったと思う。
全体的な動作は非常に高速だ。メーカー発表の起動時間は約1.3秒で、撮影間隔は約1.1秒である。実際にもほぼこの速度で動作していた。シャッターを押してからシャッターが切れるまでのシャッタータイムラグは約0.3秒となっているが、この程度のタイムラグなら、撮影してもほぼ同時のように感じるだろう。望遠側では若干遅くなるものの、多少動いている被写体でも同様の結果になったのは驚きだ。
ただ、暗い場所でもピントを合わせやすいようにする「AFイルミネータ(AF補助光)」をオンにしておくと、フォーカス合わせにやや時間がかかることがあった。状況によって変わるようだが、真っ暗な場所以外ではAFイルミネータをオフにしておくことをおすすめする。
ちなみに撮影画像をプレビューする機能をオンにしていたり、フラッシュを使用する場合は、もちろん撮影間隔は少し長くなる。
撮影モードは「オート」、「プログラムオート」、「マニュアル」と「シーンモード」である。シーンモードは「夜景」、「夜景&人物」、「ソフトスナップ」、「風景」、「ビーチ」、「キャンドル」の6種類が用意されている。シャッター速度優先や絞り優先などのモードはない。
以前紹介した「DSC-P100」などと同様に、マニュアル撮影も可能だ。マニュアル撮影時は絞り値は2種類からしか選べないが、被写界深度の深いカメラなので、これでも不満と感じることはなかった。シャッター速度はマニュアル撮影時のみ、最大30秒まで設定できる。
撮影距離は通常モードでズームの状態に関係なく50センチから撮影できる。マクロモードではワイド端で6センチ〜∞、テレ端で30センチ〜∞である。マクロ撮影中はシャッタータイムラグがやや長くなるが、コンパクトタイプのデジタルカメラの中では高速なほうだといえるだろう。
画質は後述するが、状況にかかわらず、安定して撮影できる。高速に撮影できて、画質も安定しているため、幅広い撮影に対応できる。
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