新プラットフォームの発表で出展ブースも出展企業も過去最高を盛り上がった会場には、発表されたばかりの新製品から、まだ発売するかどうかも決まっていないサンプルまで大量に展示されていた。
ECSでは 多くのメディアで報道されているように、PCI ExpressとAGPを混在させたIntel 915P搭載マザー「915P-A」に注目が集まっていた。ECSはAGPとPCI Expressを混在させる「AGP Express」の詳細について明らかにしていないが、メモリスロットもDDR2とDDRを混在させるなど、従来パーツを流用してSocket 775へコストをかけずに移行できようにしているのがポイント。
PCI ExpressとAGPの混在環境を用意しているもう一つの製品がチップセットベンダーULiが展示していた「M1685」と「M1567」の組み合わせ。PCI Expressに対応したM1685とサウスブリッジながらAGPのコントローラをもつ「M1567」を実装することで、一枚のマザーボードでAGPとPCI Expressの混在環境を実現している。M1685がインテルに先駆けてDDR2-667のサポートを打ち出しているのも特徴だ。
ULiが提案するこの方法は、ECSのようにマザーボードベンダー独自の方式でなく、チップセットベンダーが供給する機能なのがポイント。多くのマザーボードベンダーがPCI ExpressとAGPの混在環境を利用できるメリットがある。
ULiのブースにはATIの統合型チップセット「RS480」と「RS400」を搭載したサンプルマザーも展示されていた。どちらも未発表のもので、RADEON IGP系列では初めてPCI Expressに対応するバージョンになる。「RS400」はPentium 4対応、RS480はAthlon 64に対応する。
現在Athlon 64対応の統合型チップセットとしてSiS760/755があるが、RS480はDirect X 9にハードウェア対応(SiS760はソフトウェア対応)しており、Athlon 64に対応した統合チップセットでも高い3D性能が使えるようになる。
また、どちらもサウスブリッジにULiのM1573を組み合わせているのにも注目(期待?)したいところだ。M1573はAzaliaや4chのSerial ATA、RAID 0/1/1+0への対応など、インテルのICH6Rに相当する機能を有する。
FOXCONNは日本であまり耳にしないマザーボードベンダーだが、COMPUTEX TAIPEI 2004ではASUSやGIGA-BYTEなどメジャーベンダー並みの大規模なブースを展開、大量のマザーボードを展示していた。その中のひとつ「915P01-G-8KS」はCeBIT 2004でも展示されていた小型PC向けBTX規格「PicoBTX」準拠のマザーボード。Intel 915Gを搭載するが、デスクリートのPCI Expressも実装。メモリはPC3200/2700のみでDDR2はサポートしない。
日本ではグラフィックスカードのベンダーとして知られているPowerColorのブースには、CeBIT 2004で初めて登場し、先月ATIから発表されたばかりのRADEON 9100 PRO IGPとIXP300を組み合わせたマザーボード「A350A-VGF」が展示されていた。
RADEON 9100 PRO IGPに内蔵されたグラフィックス機能は従来のRADEON 9100 IGPと同じものだが、メモリバスのチューニングが施されてパフォーマンスと安定性がが向上している。また、IXP300にはあらたにSerial ATA/150コントローラが搭載され、従来のIXPシリーズで問題のあった内蔵USBコントローラも新しいものに交換されている。
Jetwayは日本でも製品が流通しているパーツベンダー。Jetwayで展示されていたマザーボードには、電源回路の周辺を透明なフードで覆い、ファンで集中的に冷やすクーラーユニットが取り付けれていた。このように、電源部分の放熱に考慮して専用のクーラーユニットを取り付ける製品が多かったのも、今年のマザーの特徴といえるだろう。
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