きょうは庶民の味方「ちょい安」ハイエンドGPUを搭載した「ELSA GLADIAC 940」に期待した(1/2 ページ)

» 2004年06月25日 00時05分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 ようやくようやくようやく。GeForce 6800ファミリーが店頭に登場。6月の後半になって、NVIDIAが送り出した2004年世代のGPUを搭載したグラフィックスカードをユーザーが気軽に入手できるようになってきた。

 しかし、最上位である「GeForce 6800 Ultra」を搭載したグラフィックスカードは7〜8万円と押しなべて高い。あまりにも高すぎる。小遣いを管理されている多くの"所帯持ち"にとって、おいそれと購入できる代物ではないぞ、と嘆いている私のために(かどうかは定かでないが)クロックを下げてパイプラインを減らした「ちょい安」ハイエンドGPU「GeForce 6800」もNVIDIAは用意してくれた。

 ノーマルGeForce 6800を搭載したグラフィックスカードもGeForce 6800 Ultra搭載カードからわずかに遅れて、先週末からAlbatronやELSA「GLADIAC 940」などが店頭に姿を見せ始めている。

ノーマルGeForce 6800を搭載したELSAの「GLADIAC 940」 クロックダウンして消費電力が低くなったおかげでパワーコネクトは一つですんでいる。クーラーユニットも薄くなり、PCIスロットに干渉することもなくなった

 どちらも5万円台と、「なんとか説得して予算が確保できる」価格設定で、私のような「お父さん」でも購入できる可能性は限りなく高い。ただし、それはそれとして、ちょい安になった分、それなりにスペックはダウンしている。はたして、これがパフォーマンスにどれほど影響するだろうか。ベンチマーク命のゲームユーザーとしては、いささか気になるところでもある。

 そこで、いち早く店頭に登場したELSAのGeForce 6800搭載グラフィックスカード「GLADIAC 940」と、同じELSAのGeForce 6800 Ultra搭載カード「GLADIAC 940 Ultra」を比較して、ノーマルGeForce 6800はコストパフォーマンス的に納得できるものなのか、そして実際のゲームの動作で不満はないのか、などなど検証してみることにした。

 GeForce 6800 Ultra/GeForce 6800。GPUは基本的に同じチップを使っている。スペック的に異なるのは先ほど述べたように、動作クロックと有効になっているパイプラインの数だ。GeForce 6800 Ultraはコアクロックが400MHz、メモリクロックは1.10GHzが定格となっているが、ノーマルGeForce 6800はGeForce 6800 Ultraより低クロックに設定、とされているだけで実際の製品における動作クロックはベンダーによって決定される。

 今回、「GLADIAC 940」の動作クロックをForceWare 5.5の拡張機能で調べたところ、コアクロックは325MHz、メモリクロックは700MHzと表示された。競合するだろうATIのRADEON X800 Proがコアクロック475MHz、メモリクロック900MHzと比べると、かなり抑えた設定になっている。これは、NVIDIAの従来機種「GeForce 5950 Ultra」のコアクロック475MHz、メモリクロック950MHzと比べても低い値だ。

 クロック以外でも、パイプラインがGeForce 6800 Ultraの16本から12本に減り、サポートするビデオメモリもGDDR3ではなく、従来から使われているDDRを実装している。動作クロックの違いも含めて、これらの相違が「ちょい安」ハイエンドGPUを搭載したカードのパフォーマンスの違いにどれだけ影響を与えるか、興味深いところだ。

 ベンチマークテストは定番の3DMark03とAquaMark3に加えて実際のゲームにおけるパフォーマンスを調べるためにFINALFANTASY XI for Windows 公式ベンチマーク2とTOMBRAIDER the angel of darknessベンチマークを行っている。

ベンチマークシステム環境
CPUPentium 4/3.20E GHz
マザーボードMSI 865PE Neo-P
メモリPC3200 256MB×2ch
HDDDiamondMax Plus9(120GB)
OSWindows XP Professional +SP1

3DMark03 Score

3DMark03 GT1

3DMark03 GT4

3DMark03 Fill Rate(Single)
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