今回の目的はキットを完成させることにあるが、初めての人がいきなりハンダ付けを始めても失敗するのがオチなので、まず練習から入ろう。このために買ったのが抵抗とユニバーサル基板なのだ。
今はもっと小さなピッチ(間隔)で作られているものが多いが、キットを含むIC工作では、「2.54ミリピッチ」が基本となっており、先に買った基板も、このピッチで延々穴が開いている。裏を見るとドーナツ状の銅箔が並んでいる。
このドーナツの穴にパーツの足(リード)を出して、これをハンダでドーナツと一体化させるのがハンダ付けだ。抵抗のリード線は手で曲げてもよいが、ラジオペンチの練習のためにペンチで曲げよう。
今回買ってきた1/6ワットという抵抗は小さいので、基板の穴2つ分まで差すことができる。はじめは3つの間隔で差す練習をして、慣れたら2つも挑戦してみよう。直角に曲げて穴にスッと入るように曲げるのは練習が必要だ。
隣り合う穴に抵抗を入れる場合は横では入らないので、Uの字に曲げる(ラジオペンチの場合は直角×2で曲げるとよいだろう)。プスプスと何本も差したらハンダ付けだ。
ハンダ付けを言葉で説明するのはちょっと面倒だが、こんな感じだ。
練習なので、ハンダの分量とか、どのくらいが「半呼吸待つ」ことなのかとか、色々と試してほしい。ハンダは多すぎの方が問題なので、少な目を心がけるとよいだろう。基板の銅箔の部分がすべてハンダでふさがり、そこから抵抗のリード線にすべて密着しているのがキレイなハンダ付けだ。
さて、ハンダ付けが終わったら基板をひっくり返してみよう。抵抗は基板から浮いてないだろうか? もちろん浮いていてもかまわないが、キレイなハンダ付けを心がけるためには、基板と密着しているのが美しい。このためにはハンダつけの時に指で押さえる、なんてことをすると火傷をする。また抵抗とかはテープで仮止めするのもよい。なお、背の低いものから取り付けるのが基本だ。
ハンダ付けが終わったら、余ったリード線を切り取る。これも可能な限りギリギリで切るのが美しい。リード線を切らずに隣のハンダ付けをするのは難しいので、ハンダ付け→足を切るを繰り返してもよい。
ハンダ付けのテクニックに関してはWebサイトを検索すると色々と出てくるので、探してみるとよいだろう。昔から無線系のキットを出しているFCZ研究所は「たのしい自作電子回路雑誌」としてCirQをPDF形式で現在配布中だ。創刊号にはハンダ付けの基本方法が書いてあるので、これも見るとよいかもしれない。こちらの練習は八木アンテナを作るもので、さすが無線系と感心してしまった。
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