ハンダの練習が終わったら(よく考えたら練習にアルミット使うのはもったいないし、腕の確認にならないような気もするが)、キットの製作にとりかかろう。詳しくはキットの説明を見てほしいのだが、要するに乾電池1本では光らない白色LEDを、1本で光らせてしまおうというキットだ。ちょっとした工作が必要ながら部品点数も少なく、実用性もあって安いというのが選択の理由だ。
使っているパーツは12点、キット作成の掟としてまず内容物がすべて入っているか確認するところから始まる。抵抗類は4本入っているがすべて違う種類なので注意しよう。揃っていなければ……店に戻るか、問い合わせる必要がある。
将来のIT戦士の養成のために子供と一緒に作る場合は、抵抗のカラーコードの読み方ぐらいは教えておくとよいかもしれない。覚え方は方言があるが(なにせ筆者が覚えた頃は「第三の男、岸恵子」だもんなぁ)、「抵抗 カラーコード」をキーワードに検索するといろいろと出てくるはずだ。
余力があれば覚えるとして、とりあえずキットのマニュアルに書いてある色の順番で確認してほしい。また、他のパーツにも数字が書いてあるので、説明書の数字と形で確認しよう。
抵抗のカラーコードの意味
黒 | 0 |
茶 | 1 |
赤 | 2 |
橙 | 3 |
黄 | 4 |
緑 | 5 |
青 | 6 |
紫 | 7 |
灰 | 8 |
白 | 9 |
銀 | 精度10%または-2(特に覚えなくてもよい) |
金 | 精度5%または-1(特に覚えなくてもよい) |
通常の抵抗は最初の2つが数値(つまり有効数字2桁)で、その次が乗数(10^x)、最後が精度。キットに入っているものを例に取ると、黄紫赤金=4、7、2、5%となって、(47)*10^2=4700=4.7kΩ精度5%、ということになる。
このキットでは電池ボックスに付いている被覆電線を流用して、電線をハンダ付けする作業が発生する。ただ、ここまでの説明で難しいのが被覆電線の皮むきで、切るのはニッパでできるが、被覆剥きはカッターを使う。軽く刃を当てながら転がすようにしてビニールの部分を切るのだが、この力加減はやはり練習あるのみだ。練習は今回使わない端の部分で行っておこう。
被覆はねじるようにして剥き、ハンダを軽く乗せる(リードの先にハンダこてを当ててハンダを少しだけ付ける)と、後の作業性がよい。ハンダこてを当てすぎると被覆が溶ける上に火傷の原因になるので注意したい。
ハンダつけの掟は、先ほども述べたように「背の低いものから取り付けろ」ということ。先ほどのものと同じ形の抵抗を取り付けたら、その他の指定パーツを正しいところに取り付ければよいだけだ。今回の場合ならば、コイル(L1)、IC、抵抗、コンデンサ、LEDソケット、最後にトランジスタとなるだろう。
基板部分が終わったら、じっくり見てハンダ付け・部品ミスがないかを確認し、問題なければリード線を付ける。最後に基板を電池ケース内に収め、赤リードをハンダ付けし、LEDを取り付ければ完成だ。単三電池を入れてLEDが光ればよいが、どうだったろうか?
次回は「自作ユーザー向けパーツを作る」をお届けする予定だ。
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