まずは盗難を防止したPCにセキュリティスロットがあるか、確認する。
ノートPCの機種によっては、右の写真のようなセキュリティスロットがないものもある。こういった場合は、シリアルポートを使ってワイヤーを取り付けられるタイプを選ぶことになる。エレコムの「セキュリティロック:ESL-19/20/12」、サンワサプライの「コネクタ取付けセキュリティキット」などがそれに当たる。また、マウスやテンキーのケーブルを一緒にロックして盗難を防ぐタイプも各社から出ている。
次にワイヤーを選ぶ。記者の席で試してみると、ワイヤー自体の強度よりも気になったのは、デスクの周りには括りつけるところが案外ないという点。当然、頑丈に固定できるところがなければ意味がない。そのため、例えば、メインとなるワイヤーをデスクの島に這わせておいて、数珠つなぎに短いワイヤーをつなげていくといったようなアイデアも必要になりそうだ。
エレコムからは「既製品でなく別注でケーブルを用意することも可能」というコメントをもらった。そんなに値段の張るものではないので、オフィスのレイアウトにあったものを注文するのが現実的かもしれない。
最後に鍵の種類だが、南京錠・ダイヤル錠・シリンダ錠などがある。鍵の管理の観点から選ぶといい。鍵をなくすことを考えるなら、ダイヤル錠といった感じだ。マスターキーや、すべて鍵を同じにする統一キーといった選択肢も用意されているので、管理する環境に併せてこういったメニューを賢く利用したい。また、ピッキングされにくいディンプルキーといったものもあり、鍵をこじ開けたい輩に対処することもできる。
実際のところだが、モバイルとしても利用するノートPCを固定してしまうと、どうしても使い勝手は落ちる。南京錠とダイヤル錠の2タイプを試したが、鍵をかける習慣がないためか、面倒に思うか、忘れてしまった。実際に向いているのは、デスクトップPCか、固定してしまって問題がないノートPCに限られるのかもしれない……。
ただ、ワイヤーが机の上を這っている状況は、心理的には相当なインパクトだった。利用が浸透すれば社内のセキュリティ意識が高まる期待も持てるし、そこまでされたPCを盗む気にはなりにくい。ノートPCに使うに場合は、面倒がる社員の意識向上を図ってなどの作業も必要となりそうだが、徹底できれば、かなりの効果は期待できそうだ。
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