もうひとつのポイントは広角で撮るか望遠で撮るか。
わざと両者の差が極端に出るような構図で、より広角に強いキヤノンの「Powershot S60」で撮ってみた。広角の写真はレンズを広角側にして、けっこう近寄って撮っている。望遠の写真はレンズを望遠側にして、その分離れたところから撮っている。
差は一目瞭然。広角の方は遠近感や立体感がすごく誇張されているし、望遠の方は逆に遠近感が失われて足の立体感も欠けている。
被写体の近くから親しみやすい感じで撮るときは広角の方が面白いし、プロポーションを極端に見せられるので面白い。逆に望遠はこういう姿勢ではなく、上半身のみをきれいに撮りたいというときによい。望遠側の例を見ると、広角側より足が短く見えているでしょ。遠近感が失われる分、ちょっとかわいそうな結果になるのだ。こういうポーズで望遠で撮るときは、足を入れないのが親切というものである。
夏だ、水着だ、という雰囲気を出すにはがんばって明るく撮るべし。撮影の日は哀しくも曇り空だったが、だからこそ明るめに撮りたい。特に夏は海だろうがプールだろうが、日差しを受けている空や浜や水はすごく明るい。被写体よりも明るい。それをカメラ任せで撮ると、どうしても背景の明るさにひっぱられて、肝心な人物が暗くなりがちだ。
そういうときに有効な技は2つ。ひとつは露出補正。
オートだと人物が暗い。顔も暗く写ってる。特に顔は髪の毛で隠れがちで、これではちょっと寂しい。背景が明るい色の時に起きがちな現象だ。
でも露出補正をかけて明るくしてやると雰囲気が全然違う。特に夏なんだし、女の子的にもどちらかというと白くトビぎみに明るく写った方が喜ぶので、1枚撮ってみてちょっと暗いな、と思ったら思い切って露出補正をかけてみよう。
それでも暗いことはある。あまり露出補正を強くかけると、今度は背景が明るくトんじゃってどこで撮ったかわからなくなる。そういうときはストロボを焚いちゃう。
昼間でも内蔵ストロボを強制発光してやればこれだけ明るく撮れるのだ。しかも瞳の中に白い点がはいる(キャッチライトという)ので、目もきれいに見える。少女漫画で欠かせない瞳の中の☆みたいなものである。
もっともあまりに日差しが強くて明るすぎて内蔵ストロボの光では弱すぎるときや、被写体が遠くて有効な強さで光が届かないこともあるのでケースバイケース。その辺は液晶モニタでプレビューを確認しながら撮ろう。
なお、ひとつだけ注意。
晴天下ではデジカメの液晶モニタが見づらくなり、すごく暗くなる。これはしょうがない面もあるので、心に留めておこう。見づらいときは空いている手や手元にある紙とか身体とかカバンとかで外光をある程度遮った場所でプレビューをチェックするようにすれば、それなりに確認できるはずだ。
(モデル:織原裕、協力:六本木プリンスホテル)
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