ITmedia推奨!競技別適正ビットレート設定今年の夏は「PCで全部録る!」ことにした──第6話(2/2 ページ)

» 2004年08月13日 18時15分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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背景がどんどん流れていく「マラソン&自転車競技」

 常に画面がスクロールしているマラソンや自転車競技では、ビットレートのほとんどが背景に割り振られてしまうため、ほかのスポーツよりも高めのビットレートが求められる。

 これらの競技もまだ始まっていないため、ツール・ド・フランスを録画したときの経験から推測すると、最低でも8Mbps程度のビットレートは確保したいところだ。

移動は少ないがスピードのある「柔道&レスリング」

 柔道やレスリングのような、狭い競技場で速い動きのある競技では、ビットレートのほとんどが選手の動きに割り当てられるため、比較的低ビットレートであっても画質の破綻は起こりにくい。スポーツ録画全般にいえることだが、それまでじっとしていたのに、いきなり激しく動くような場面があるため、HDD容量を無駄なく使いたいならば、可変ビットレートに設定しておくのが基本となる。

水しぶきもバカにならない「水泳」

 水泳もマラソンなどと同様に、画面が常にスクロールするため、高いビットレートを必要とする。加えて水しぶきなどに情報量を必要とするため、より高いビットレートで録りたいところだ。

 また、競泳ほどの画面スクロールはないが、美しさが命であるシンクロナイズドスイミングにも高ビットレートを与えたい。というわけで、お勧めビットレートは、競泳、シンクロともに10Mbps以上としておこう。

トラックとフィールドで使い分けたい「陸上」

 陸上は競技によっていろいろ変えていく必要がある。大きく分けるとトラック競技とフィールド競技となるわけだが、100メートルや400メートルハードルなどのトラック競技では、マラソンと同様8Mbps程度は欲しいところだ。

 競技自体が短いため、ポイントを絞ってカット編集するという前提なら、10〜15Mbpsで録るというのも悪くない選択だ。

 一方で、ハンマー投げを初めとするフィールド競技は、それほど高いビットレートは必要としないだろう。跳躍競技などではスローモーションによるプレイバックもあるため、決定的なシーンが破綻してしまうようなこともないはずだ。4〜6Mbps程度で良いだろう。

ぐりんぐりんと動きが激しい「体操」

 どの競技をとってもかなりのスピードがあるため、ある程度高いビットレートを割り振っておきたい。とくに床や新体操、トランポリンなど、激しい動きのある競技が多いので、8Mbps程度で録っておこう。

長い試合時間に注意「バレーボール&バスケットボール」

 バレーボールやバスケットボールも、サッカーや野球などと同様に試合時間が長いため、できるだけビットレートを下げたいところだ。4Mbpsなら2時間半の試合時間となったとしても、DVD1枚に収めることができる。「マイフェバリットコレクション」を作るつもりなら4〜5Mbpsがお勧めだ。

競技種目お勧めビットレート
サッカー6Mbps
野球/ソフトボール4〜6Mbps
マラソン/自転車競技8〜10Mbps
柔道/レスリング4Mbps
水泳10Mbps
陸上(トラック競技)8〜10Mbps
陸上(フィールド競技)4〜6Mbps
体操8Mbps
バスケット/バレーボール4〜5Mbps
 競技別推奨ビットレート一覧

ビットレートとファイルサイズを把握して残量計算忘れずに

 録画されたファイルのサイズは、ビットレートが高くなるほど大きくなる。保存ファイルのサイズは、固定ビットレートなら計算で求めることが可能だ。音声を含めたファイルサイズを簡単に表にまとめてみた。

ビットレート30分1時間2時間
1Mbps275Mバイト550Mバイト1.1Gバイト
2Mbps450Mバイト1Gバイト2Gバイト
4Mbps950Mバイト1.9Gバイト3.8Gバイト
6Mbps1.4Gバイト2.8Gバイト5.6Gバイト
8Mbps1.9Gバイト3.7Gバイト7.4Gバイト
9Mbps2Gバイト4Gバイト8Gバイト
10Mbps2.3Gバイト4.6Gバイト9.2Gバイト
15Mbps3.5Gバイト6.9Gバイト13.7Gバイト
25Mbps5.7Gバイト11.3Gバイト22.6Gバイト

 固定ビットレート時の保存ファイルサイズ(音声は226kbpsで固定とする)

 スポーツ録画の場合には可変ビットレートが基本、と説明したが、可変ビットレートの場合は保存ファイルのサイズを計算で求めることはできない。同じビットレート設定でも、動きの激しい映像の場合にはファイルサイズが大きくなり、あまり動きのない映像の場合にはファイルサイズは小さくなる。可変ビットレート設定では、指定するビットレートが平均値であり、最高ビットレートが別に指定できる場合もある。その場合にも設定によってやはりサイズが変わってくる。

 この場合の、大まかな計算としては、平均ビットレートの1.5倍程度を最高ビットレートにしたと仮定して、その保存ファイルのサイズは、平均ビットレートの値を固定ビットレートで計算した値の、1.0〜1.2倍程度になることが多いようだ。たとえば、平均ビットレートを6Mbps、最高ビットレートを9Mbpsに設定した場合、1時間のファイルサイズは2.8Gバイトから3.2Gバイト程度になると考えておくといい。もちろん、動きの激しい映像の場合にはもっと大きくなることもあるので、その分「上昇変更」を加味しておく必要があるだろう。

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