では、実際の性能をチェックしてみよう。第1回と同じように、Pentium 4 540搭載の「マシンA」と、Pentium 4/2.40B GHz搭載の「マシンB」の2台にて、OS起動から5分後と、Super π3355万桁の計算を完了した時点での温度と騒音レベルを計測した。計測には、NEC三栄「サーモトレーサ TH5104」、デジタル騒音計の、扶桑理化製品「SD-2200」を使用した。環境の詳細は以下の通り。
マシン | マシンA: クレバリーショップブランドPC特別モデル「RODEO」 | マシンB: Pentium 4/2.40B GHz搭載自作PC |
CPU | Pentium 4 550(3.40GHz) | Pentium 4/2.40B GHz |
メモリ | PC4300 512Mバイト | PC2100 512Mバイト |
HDD | 160Gバイト | 160Gバイト |
マザーボード | Intel「Desktop Board D915GEV」(Intel 915G搭載) | AOpen「MX4GER(Intel 845GE搭載)」 |
グラフィックスカード | Albatron「ALB-PC5900P」(GeForce PCX5900XT搭載) | PowerColor「VD1216」(RADEON7000搭載) |
電源ユニット | 定格350ワット静音 | 定格350ワット |
ケース | ミドルタワー | |
OS | Windows XP Home Edition SP1a | |
温度測定 | NEC三栄「サーモトレーサ TH5104」 | |
騒音レベル測定 | 扶桑理化製品「SD-2200」により、PC真正面から30センチ、高さ25センチの位置で測定 |
マシンA:起動から5分後
マシンB:起動から5分後
マシンA:「Superπ」3355万桁計算直後
マシンB:「Superπ」3355万桁計算直後
RESERATOR 1は、基本的には「ファンレス」であるため、静音化にはかなり貢献することとなった。上記での測定値は45〜48デシベルで、ケースを閉じれば、電源ユニットやケースファンの音だけしかしない程度となる。
タンク本体のモーターは若干くぐもった音が聞こえるが、これも離しておけば問題にならない程度である。
また、RESERATOR 1の電源はAC100ボルトにて別途供給される。PCのシャットダウンと連動して本体の電源も切る、といったことはPC用サービスコンセントなどを使用しなければならないのはやや面倒だが、ターボ付きスポーツ車によく用いられる「ターボタイマー」のように、PCシャットダウン後もCPU冷却のためにクールダウン動作を行うといったことも、別電源であれば行いやすそうだ。AC100ボルトコンセント用のタイマーなどは、大手量販店などで簡単に入手できそうだし。
緊急時には、アキバ某ショップによると「“お湯”になったときには、氷を入れると効果的です」と、なんと「氷」をタンクにぶち込むことで急激に冷却効果を高められるという。
よくある水冷キットは冷却水を小さな穴から注入するタイプなので、それを行うことは難しいが、RESERATOR 1はいわば巨大な水槽なのでこんなことも可能なのである(あまりに多用すると結露が発生して思わぬトラブルが起こりそうだが)。
そんなフレキシブルな利用法もあるRESERATOR 1、その所有欲をも存分に満たす存在感と効果とともに、なかなか遊べそうなパーツである。
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