Special
» 2004年08月31日 00時00分 公開

レポート:野球のスコアをタブレットPCで入力 NEC新型機での東京ドーム実証実験に同行してみました (1/2)

サッカーなどで試合のスコアブックをPCで入力し、選手個々人の分析や作戦の立案などに利用するという話は、Jリーグの発足以降よく聞く話となった。だが野球ではどうだろうか? 今回マイクロソフトがジャイアンツカップで行っている実証実験に同行してみた。

[大出裕之,ITmedia]

野球のスコアブックづけとタブレットPC

 「全国少年野球大会 2004ジャイアンツカップ」というのをご存知だろうか。1994年に始まった複数の少年野球の団体の交流試合で、現在では、日本リトルリーグ野球協会、日本少年野球連盟、日本リトルシニア野球協会、日本ポニーベースボール協会、全日本少年硬式野球連盟(ヤングリーグ)、全国少年硬式野球協会(サンリーグ)が参加する、名実ともに少年硬式野球の日本一を決定する大会なのだそうである。

 上記各組織を合計すると、約1500チーム、約5万人の小中学生が参加しており、規模の大きさが想像できる。またこのジャイアンツカップ参加選手のうち、既に19名がプロ入りしており、日本の野球文化のベースを担うイベントと言っていいだろう。

 今回お邪魔したのは、8月18日に行われた中学生の部の決勝試合。中学生の部は各団体の代表20チームでトーナメント式で試合が行われる。東京ドームでプレイされた決勝まで勝ち上がってきたのは、沖縄県の「沖縄国際ポニーズ」と東京都の「武蔵府中リトルシニア」だ。

 で、なぜマイクロソフトがタブレットPCでのスコアブックづけをやっているのかと言うと、本大会の主催者の一社である読売新聞社に対して、記者が行う試合のスコアブックづけをタブレットPCで運用することによる効率化と正確さとを、アピールするため。これによってタブレットPCを使用するメリットを感じてもらい、導入に繋がれば、ということだそうだ。

記者席から見下ろした東京ドーム

タブレットPCで行うメリットとは

 実際のスコアとしては、あくまでも紙のほうが公式記録。通常の試合の場合、球場の記者席でスコアを記入し、そのスコアを別の場所(記者クラブや編集部など)にFAXする。それとは別に記事はPCで入力し、ネット経由で送信される。別の場所ではそれを照合し、フィニッシュするというわけだ。

 ところがここで問題になるのが、手書きという点。刻々とリアルタイムで試合のスコアを手で書くため、間違いも起これば悪筆で読みにくい場合というケースも発生しないわけではない。また紙でFAXという手段をとるため、後々の集計などで非常に手間を要する。

通常はスコアラーが、このようにスコアブックを手書きでつける

 今回マイクロソフトでは、株式会社マイスターが作成した野球のスコアブックをつけるためのオリジナルアプリケーション「VISCO for Baseball」をタブレットPCにインストールして持ち込んだ。

 このアプリケーションは手書きではなくスコアマークを選ぶという方式をとっている。つまり、画面上では正確な記入を行うことができ、プリントアウト時も手書きでない美しいスコアブックのプリントが可能となる。なによりうれしいのは、入力したものをCSVファイルとして書き出してくれる点だろう。これにより各種の集計が非常に容易に、そして正確になる。投手の投球数や打率といった計算がまさにあっという間だ。

 もちろんマウス代わりにペンが使えるタブレットPCならではの操作性も、大きなメリットのひとつとなる。

配布された公式打順表を元に事前に試合情報を入力する

 これまでの実証実験での現場の記者の反応は上々とのこと。ご時勢で既に記事原稿はPCで書いているため、それにプラスしてスコアもつけられるタブレットPCには「こういうのを前から作れって言ってたんだよ」というコメントも飛び出したそうだ。

 実際のところ読売新聞社としても、導入について前向きに検討を始めているそうで、野球のスコアブックはタブレットPCで入力が常識、という時代が遠からず到来しそうな予感があった。

 少年硬式野球で活動するチームの多さは前出のとおりだが、実は小中学校の場合、軟式野球で活動するチームは桁違いに多い。また、それとは別に社会人の草野球という分野もある。マイクロソフトとしてはそれなりに大きな市場として見ているようだ。

ビジュアライズされてわかりやすい打線入力(このタブレットPCなにやら見覚えがない。実は……次ページへ!)

東京ドーム、そこはヒーローが誕生する地

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.