では、WCL-03 90Cuを稼動させてみよう。
前回と同じように、Pentium 4 540搭載の「マシンA」と、Pentium 4/2.40B GHz搭載の「マシンB」の2台で、OS起動から5分後と、Super π3355万桁の計算を完了した時点での温度と騒音レベルを計測した。計測には、NEC三栄「サーモトレーサ TH5104」、デジタル騒音計の、扶桑理化製品「SD-2200」を使用した。環境の詳細は以下の通り。
マシン | マシンA: クレバリーショップブランドPC特別モデル「RODEO」 | マシンB: Pentium 4/2.40B GHz搭載自作PC |
CPU | Pentium 4 550(3.40GHz) | Pentium 4/2.40B GHz |
メモリ | PC4300 512Mバイト | PC2100 512Mバイト |
HDD | 160Gバイト | 160Gバイト |
マザーボード | Intel「Desktop Board D915GEV」(Intel 915G搭載) | AOpen「MX4GER(Intel 845GE搭載)」 |
グラフィックスカード | Albatron「ALB-PC5900P」(GeForce PCX5900XT搭載) | PowerColor「VD1216」(RADEON7000搭載) |
電源ユニット | 定格350ワット静音 | 定格350ワット |
ケース | ミドルタワー | |
OS | Windows XP Home Edition SP1a | |
温度測定 | NEC三栄「サーモトレーサ TH5104」 | |
騒音レベル測定 | 扶桑理化製品「SD-2200」により、PC真正面から30センチ、高さ25センチの位置で測定 |
マシンA:起動から5分後
マシンB:起動から5分後
マシンA:「Superπ」3355万桁計算直後
マシンB:「Superπ」3355万桁計算直後
Super π計算直後でも、CPU部分は30度前後に収まっている。またラジエータに搭載されるファンがケース内の排気も兼ねることで、メモリやHDD、グラフィックスカードなどの温度もさほど高い温度にはなっていないことも分かる。
なお今回のテストでは、ファン回転数を2000rpmに固定して測定した。動作音はいずれの環境でも50デシベルを下回っており、かなりの違いが体感できた。ただしWCL-03 90Cuのファンコントローラは、5インチベイなどに搭載し、温度表示用液晶モニタを備えるような凝ったタイプものではない。つまみも小さく、細かい調整は少々やりにくい。頻繁に回転数を調節し、温度/騒音レベルをコントロールするような使い方をするユーザーは、やや物足りないかもしれない。
WCL-03 90Cuは、ケース内に組み込める水冷システムとしては、そのコンパクトさから非常に扱いやすく、効果もそれなりに実感できる。なにより組み立て済みであるため、水冷キットの一番の心配点である、組み立て時のミスによる水漏れがほとんどないのも大きなメリットである。
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