キヤノンは9月22日、コンパクトモデルとしては初めて映像エンジン「DIGIC II」を搭載した薄型・軽量光学3倍ズームデジカメ「IXY DIGITAL 40」と「同50」を10月上旬より順次発売すると発表した。同40は1/2.5インチ約320万有効画素CCD、同50は1/2.5インチ約420万有効画素CCDをそれぞれ搭載する。価格はオープンで、予想実売価格は同40が4万円前後、同50が4万5000円〜5万円。
両モデルの最大の特徴は、同社製デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D Mark II」や「EOS 20D」に搭載されている最新鋭映像エンジンのDIGIC IIを、コンパクトモデルとしては初めて搭載したこと。
DIGIC IIは、従来は5点に分かれていた画像処理、動画処理、カメラ制御、フラッシュメモリ、SDRAMの各機能チップを1パッケージに統合しており、大幅な省スペース化を実現できる。同社によると、従来は698平方ミリだった専有面積が169平方ミリへと約76%減少した。また、高密度実装や新開発の光学3倍ズームレンズ(後述)の搭載などにより、320万有効画素光学2倍ズームの従来モデル「IXY DIGITAL 30a」に比べ、厚さでマイナス3.2ミリ、体積比で約83%(IXY DIGITAL 50の場合)のスリム&コンパクトボディを実現したとしている。
性能面では、IXY DIGITAL 30aに比べて起動速度で50%、AF合焦速度で約30%それぞれ高速化したほか、連写性能や再生レスポンスも向上した。さらに画質面でも、青空における色階調表現の向上やノイズを抑えながらの解像度向上、より高機能なホワイトバランスの制御など、表現力がさらに高まったとしている。
搭載するレンズは、新開発のストレート沈胴式光学3倍ズームレンズで、UAレンズ(超高屈折率ガラスモールド非球面レンズ)の採用により、沈胴時16.25ミリという薄さと球面収差などを効果的に抑制した高画質を両立している。
なお沈胴時16.25ミリという値は、光学2倍ズーム機のIXY DIGITAL 30a(沈同時17.9ミリ)よりも薄い。また、キヤノンによると、ストレート沈胴方式はレンズの光軸がぶれないため高画質を維持でき、レンズの広角化に対しても有利だとしている。
液晶ディスプレイは2インチで、ボディ自体はコンパクトになったのにも関わらず、IXY DIGITAL 30aの1.5インチよりも大型化している。撮影機能では、6種類のシーンモードや、デジカメ初の60フレーム/秒の動画撮影機能(サイズは320×240ドット)、印刷時にトリミングされる領域を液晶ディスプレイで確認しながら撮影できるL判プリントモードなどを新たに搭載した。
IXY DIGITAL 40および同50の主な仕様は以下の通り。
製品名 | IXY DIGITAL 40 | IXY DIGITAL 50 |
撮像素子 | 1/2.5インチ約320万有効画素CCD | 1/2.5インチ約420万有効画素CCD |
レンズ | 3倍ズームレンズ、焦点距離35〜105ミリ(35ミリフィルムカメラ換算)、開放F値2.8〜4.9 | |
撮影範囲 | 30センチ〜∞、3(W)/30(T)〜50センチ(マクロモード時) | |
最大画像サイズ | 2048×1536ドット(静止画)/640×480ドット(動画) | 2272×1706ドット(静止画)/640×480ドット(動画) |
記録メディア | SDメモリーカード | |
ファインダー | 実像光学式 | |
液晶ディスプレイ | 2インチ約11.8万画素低温ポリシリコンTFT液晶 | |
感度 | オート、ISO 50/100/200/400相当 | |
オートフォーカス | TTL AF、測距点:9点(AiAF時)/1点、AFロック可能 | |
シャッタースピード | 15〜1/1500秒 | |
撮影モード | オート、マニュアル、シーン(6種類)、ステッチアシスト、動画 | |
露出補正 | ±2EV、ステップ:1/3EV | |
測光方式 | 評価測光、中央部重点平均測光、スポット測光(中央固定) | |
ホワイトバランス | オート、プリセット(5種類)、マニュアル | |
連写 | 約2.8コマ/秒 | 約2.4コマ/秒 |
バッテリー | 専用リチウムイオン充電池 | |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 85.8×19.9〜21.1×53.4ミリ | 86×19.5〜20.7×53ミリ |
重量(本体のみ) | 約115グラム | 約130グラム |
予想実売価格 | 4万円前後 | 4万5000円〜5万円 |
発売日 | 10月下旬 | 10月上旬 |
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