赤坂にある出版社の編集部に勤務する細野由華(23歳)。この物語は、ひとりの新米女性編集者がタブレットPCを使って立派に成長していく過程を追ったフィクションである。入社から、はや5年。ゆかゆかは仕事においてメキメキと頭角を現し、編集部のトップに就任した。メーカー各社からも、タブレットPCのオーソリティとして一目置かれる存在だ。しかし、ゆかゆかのこの急激な成長は、夢か現(うつつ)か……?
8月吉日、快晴。
ゆかゆかも入社5年目となりました。5年の間に、そう、彼女は急成長を遂げたのです。現在のゆかゆかの肩書は編集長。社歴に似合わぬ異例のスピード昇進です!
細野 「さあ、今日もはりきって仕事、仕事。この椅子も、しかし、イマイチね。やっぱり編集長ともなれば、ハーマンミラー社にでもオーダーしなくちゃダメかしら?」
日本HPにやって来ました。ゆかゆかは、出版社の編集長であるかたわら、PCメーカーやソフトウェアベンダーの顧問、相談役のような仕事もしています。つまり非常勤の役員です。
受付嬢 「(慌てて)あっ、細野役員! お、おはようございますっ」
細野 「お疲れさま!」
わがもの顔で受付をスルーすると、特別ビップルームへ。日本HPの開発担当、販促担当の幹部と会談するゆかゆかです。幹部たちに「先生扱い」され、エラそうに会談してます……
開発のA氏 「いやあ、ほんとに先生のご活躍ぶりは、ますます(中略)」
販促のB氏 「私も、ハイ、いつも拝見して、ハイ、それであの(中略)」
現在のHP製タブレットPCにコメントをするゆかゆか。日本HPの幹部たちはありがたく拝聴しています。今後のタブレットPC市場や、そこに対する日本HPのビジョンについて、ゆかゆかは相談を受けたのでした。
細野 「まっ、そういうことで!」
開発のA氏 「ありがとうございました」
販促のB氏 「 同上 」
日本HPの役員室にもついでにご挨拶。なんだか役員よりもエラそうなゆかゆかです(笑)。
ゆかゆか、日本HPで的確なアドバイスをしたあとは、その足でなんと日帰りの関西出張です。関西の財界人を集めたパーティに招かれ、講演に出かけるところであります。搭乗時間を待つ間、ゆかゆか、編集部に電話です。
細野 「それは、ああしてこうして(テキパキと部下に指示を出す)」
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