単三形電池が使えるコンパクト500万画素機――Optio S50(2/3 ページ)

» 2004年10月19日 16時00分 公開
[市原達也,ITmedia]

回転モードダイヤルで撮影モードの変更が容易

 撮影モードは本体上部にある「回転モードダイヤル」で選択できるので使いやすい。ピクチャーモード(シーンモード)は「PICT」にダイヤルを合わせて下方向キーを押して撮影モードを選択する。ペンタックスでは多数のピクチャーモードを用意しているため、2段階で選ぶ必要がある。しかし、よく使う「ポートレートモード」、「風景モード」、「夜景モード」は回転モードダイヤルから選択できるので、一般的な撮影では回転モードダイヤルだけで撮影モードを選べるだろう。

本体上部に「回転モードダイヤル」があるので、撮影モードの変更はしやすい
ピクチャーモードは多数用意されているので、回転モードダイヤルを「PICT」に合わせたあと、方向キーで目的の撮影モードに合わせて撮影する

 PICTモードから選択できるピクチャーモードは「花」、「セルフポートレート」、「サーフ」、「スノー」、「夕景」、「美術館」、「テキスト」、「料理」、「風景ポートレート」、「マリン/マリンムービー」の10種類だ。ペンタックスのピクチャーモードは非常に充実しており、さらに多くのモードを用意している製品もあるが、これでも十分多いほうだ。ユーザーの用途を考えると「Optio X」などに搭載される「ペット」か「スポーツ」があるとさらによかった。

 モノクロ撮影やセピアに撮影できる「デジタルエフェクト」という機能の中に「デジタルフィルター」というおもしろい機能がある。デジタルフィルターは赤や緑などのカラーフィルターをレンズに取り付けたような写真が撮影できるほか、モノクロやセピア色に撮影できる。さらに「白黒+赤」と「白黒+緑」、「白黒+青」という1色だけそのままで、あとはモノクロに撮影する機能がある。「白黒+赤」の場合、赤い被写体は赤く写るが、そのほかは白黒に写るというもの。頻繁に使う機能ではないが、特定の被写体を際だたせたい時に使えるだろう。

(オリジナル画像はこちら
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デジタルエフェクト機能で「白黒+緑」などを使った例。特定の被写体を際だたせたいときや、ちょっと変わった写真が欲しいときにおもしろい機能だ

 このほかにもパノラマ画像を作るときに使う「パノラマアシスト」や画面を2分割して合成写真を作る「ツーショット」なども用意されている。

 動作速度も問題ない。単三形電池を2本しか使わないうえ、500万画素クラスのCCDを使うので、全体的に緩慢な動作を予想していたが、実際に使う上で遅いと感じることはなかった。起動も速く、撮影間隔も通常の撮影ならばメモリーに保存中で待たされるということもない。

 これまで述べてきたように、使用できるバッテリーは単三形電池(アルカリ乾電池、リチウム乾電池、ニッケルマンガン電池、ニッケル水素充電池)とリチウム電池の「CR-V3」である。CR-V3を使用した場合、CIPA準拠のテストで約420枚撮影できる。同じ500万画素CCDを搭載して専用リチウムイオン充電池を使う「Optio S5i」が同じテストで約160枚なので、結果を見れば非常によい。当然だがアルカリ乾電池やニッケル水素充電池では、これよりも撮影枚数は少なくなる。

 ランニングコストの安いニッケル水素充電池の場合、予備を2本持って行っても1日撮影するにはやや足りないかもしれない。しかし、幅広いバッテリーを使えるのがOptio S50の利点だ。非常に多くの枚数を撮影するときはCR-V3、普段持ち歩くときはニッケル水素充電池、旅行などにはニッケル水素充電池やCR-V3を使い、足りない場合は現地でアルカリ乾電池やニッケルマンガン電池を買うなど、用途に応じて使い分ければ、バッテリーに困ることはないだろう。もちろん、別売りACアダプタも使用できる。

メモリーカードとバッテリーは独立して入れるようになっている。バッテリーは単三形電池2本か、CR-V3を1本使用する

 全体的によくできた製品だ。人目を引くようなセールスポイントはないが、欠点の少ないカメラである。アルカリ乾電池を使用した際に最近のデジタルカメラとしてはやや持続時間が短いと感じたが、500万画素のCCDを搭載していることを考えれば十分省電力といえる。初心者から中上級者まで、普段持ち歩くカメラとして幅広くおすすめできる製品だ。

Optio S50、作例

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