FAXからスキャナ、無線LANまで使える多機能な複合機――HP Photosmart 2710 All-in-One(2/4 ページ)

» 2004年11月04日 08時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

若干もの足りなさが残るコピー機能

 スタンドアロンでのコピー操作は、原稿をセットしてモノクロかカラーのスタートボタンを押すだけだ。操作パネルが右上面にあるので、雑誌を開いた状態でコピーするときでもボタンが押しにくくならない。

本体右に用意されている操作ボタン類

 コピー枚数などの設定は液晶モニタで行うが、コピーボタンを押して設定メニューを開く必要がある。液晶モニタの通常表示は、インク残量やネットワーク接続を示すステータス表示だ。画質(3段階)などを指定する独立ボタンはなく、メニューから設定項目を選び、さらに設定値を決めるという操作となる。

液晶モニタに表示されるメニューから設定を行う

 設定操作は4方向ボタンと決定ボタンのほか、選択項目の番号をテンキーから直接指定してもよい。エプソンやキヤノンの液晶モニタ付き複合機と比べると、設定の一覧性で劣り、せっかくの大型液晶モニタを生かし切れていない印象がある。

 コピー機能にも、もの足りなさを感じる。A4/はがき/L判のフチなしコピーやポスター印刷は可能だが、1枚の用紙に複数ページを縮小コピーする割付機能や、定率の拡大/縮小を持たない。両面コピーができないのも残念だ。拡大/縮小は1%単位の任意倍率か、「ページに合わせる」や「ページ全体に印刷」などを使う。「ページに合わせる」と「ページ全体に印刷」は、どちらも用紙サイズに合わせて原稿を自動的に拡大/縮小するものだ。

 用紙サイズと種類は光学センサーによる自動認識だが、まれに用紙種類を誤認識することがあるようなので、手動で設定しておくほうが無難だろう。試用した限りでは、普通紙をインクジェット用紙と勘違いしやすかった。

 また、手動設定の用紙サイズにB5がなく、自動でもB5サイズを認識できない点も気になった。B5の原稿を等倍コピーするときは、用紙サイズを「自動」、拡大/縮小を「実物大」にする。A4→B5などの縮小コピーや、A5→B5などの拡大コピーは、面倒でも任意倍率を使うしかない。日本ではB5サイズの需要もそれなりにあるので、ぜひ対応させてほしいものだ。

スタンドアロンで簡単なレタッチもできるダイレクト印刷機能

 メモリカードからのダイレクト印刷では、画像の明るさやシャープネス、赤目などを補正したり、単色効果(セピア/アンティーク/モノクロ)、フレームなどを適用することが可能だ。印刷する画像も、液晶モニタで確認しながら任意の画像を選択できる。

メモリカードを差したあと本体の「フォト」ボタンを押すとメニューが表示され、その中の「編集」から補正作業が可能だ

 しかし、画像Aを1枚、画像Bを3枚といったように、画像ごとに印刷枚数を指定できないのは難点がある。複数の画像を印刷指定した場合、すべての画像で同じ印刷枚数となる。印刷用紙のサイズと種類は自動認識だが、コピーと同様に手動で設定しておくほうがよい。

 マークシート式インデックスの「フォトシート」も利用できる。1枚のシートには最大で20枚の画像が並び、インデックス印刷する画像の範囲指定も可能だ。フォトシートで指定する設定は必要最小限で、印刷する画像とレイアウトだけである。レイアウトはL判フチなしとA4割付(5パターン)だけだが、これで十分だろう。画像ごとに印刷枚数も指定できると便利なので、キヤノンの複合機のように1〜3枚程度でよいので実装を望みたい。

フォトシート。ユーザビリティは昨年と変わっていない

写真印刷は4色より6色が断然キレイ

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