エプソンのインクジェットプリンタは、ドライバで用紙の種類を「EPSON写真用紙」にした場合、プリセット設定で簡単に選択できる画質レベルが3段階ある。「推奨設定-きれい」、「推奨設定-高精細」、「詳細設定-超高精細」の3つで、インクドットの密度(解像度)が違う。精細さでいうと、超高精細>高精細>きれい、となる。
PX-G5000の出力できれいと高精細を見比べると、人肌に落ちる影などのグラデーションで違いがはっきり分かる。きれいは粒状感が目視できるレベルだが、高精細になるとわずかなザラつき程度にしか感じない。高精細と超高精細の違いは、目視ではほとんど判別不可能だ。印刷速度には約2倍の開きがあるので(高精細のほうが速い)、常用する設定としては高精細がよい。ただし、重箱の隅をつつくように凝視すると、超高精細が階調性で上回る場合もある。
次は「発色」の評価だが、これがまた難しい。PX-G5000を含めたエプソン製品のドライバは、マニュアル色補正として「自然な色あい」、「あざやかな色あい」、「EPSON基準色」を備えており、選択肢で簡単に変更できる。各人の好みがすべてといっても過言ではないため、ここではデフォルト設定の「オートフォトファイン!6」による出力を評価する。先述した「EPSON NATURAL PHOTO COLOR 3」が適用されるのは、オートフォトファイン!6だけというのも大きな理由だ。
オートフォトファイン!6は「好ましい発色」に自動レタッチするモードで、全体的に見て中間調からハイライトの明度を高くするようだ。花や果物、金属といった高彩度色の部分が多い画像や、ポートレート、露出アンダー気味の画像などでは非常に良好な結果となる。画像全体が明るめの風景などは、シャドウ側が残ったまま中間調からハイライトが明るくなるため、淡泊な発色になりやすい。
また、シャドウ側の濃密な諧調は顔料インクならではといえるが、ごくまれに激しいトーンジャンプを起こし、まだら模様になってしまうことがあった。これは「オートフォトファイン!6」の画像認識機能が、あくまでも「自動」であるため引き起こされる現象だ。今後のドライバ改善に期待したい。
余談だが、デジカメ画像をA3/A3ノビに印刷することを考えると、最低でも500万画素のデジカメが欲しい。というか必要だ。400万画素以下では、大判印刷するには画素が不足して解像度が落ち、ボケたようなネムい出力になってしまう。
●オートフォトファイン!6
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