敬遠理由の二つめ、「交通の便の悪さ」はどうだろうか。
――日々取材に来る上ではさほど不便を感じないのですが、交通の便が悪いという話も聞くのです。実際のところいかがでしょう。
「出勤するにも歩いて行ける距離なので、基本的には遠くまで出かけるということは少ないのですが、そんなことは全くないと思いますよ。山手線、地下鉄はもちろん、新宿に18分ほどで行ける総武線もありますし。なぜなら山手線圏内なのですから」という。
23区内だけでなく、総武線により千葉方面へのアクセスにも便利。また、東京メトロ銀座線の末広町駅にも近く、地下鉄もダイレクトに利用できる。
車移動についても山手線圏内だけあって、都内のどこへ行くにも困ることは少ない。ただし慢性的に混雑ぎみではあるが。
「線路向こうの昭和通りはそのまま汐留やお台場(編集部注:お台場へは若干交差点を曲がらなければなりませんが)といったおしゃれスポットへも一本。首都高速上野線もありますので便利だと思います。ただしいつも渋滞しているのが難点かもしれませんね。車はほぼ使いませんから想像ですけど」とのこと。
「交通の便の悪さ」は、ターミナル駅の一つであるJR秋葉原駅を中心とし、ほぼ問題なしというか逆に便利だろう。もちろん車の場合は商業地周辺の道路が混み合うのはどこも同じということと、やはり自家用車となると駐車場賃料はかなり高価であることが予想されるが、車は必要ないという人は関係なさそうだ。
また、かなり多くの店員が挙げた敬遠理由の3つめ「オタクの街というイメージに抵抗がある」については、主観的な要素が多分にあるので検証は行えない。
次はアキバ暮らしを希望する店員の多くを断念させた要素である「高い家賃」「少ない物件」についてはどうか。
――賃料が高く、そもそも物件がないというイメージがありますが、どのように見つけたのですか。
「確かにその通りです。普通の相場じゃ高くて住めなかったでしょう。私が住んでいる部屋は、元々オフィス用のスペースだったんです。ちょっとしたコネで安価に住ませてもらっているんで……。」
やはり物件そのものは少なく、あったとしても賃料は高価なのかもしれない。
T氏は例外的に見つけることができたため、通常の住宅事情にはあまり明るくない様子だ。次回は、秋葉原エリアを中心に扱う不動産屋などに実情を聞くことにしたい。
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