2番目のポイントは露出。カメラは撮影する全体を見て、どのくらいの明るさにするかを判断している。太陽はものすごく明るい。明るすぎるくらい明るい。当たり前だ。空は太陽に照らされて徐々に明るくなっていく。大地は太陽がある程度上がってこないと明るくならない。よって、地面と空で明るさの差が出てしまう。ここでカメラが地面の明るさ(暗さ)にひっぱられると、空が白っぽくなって風情も何もあったもんじゃない。どちらかというと、地面が真っ暗になってでも、空の色を出したいところだ。
望遠で撮った太陽を見ると太陽の周りに黄色いリングが出ているのにお気づきだろうか。実はコレ、太陽が明るすぎてその周辺で色が破綻をきたしているのだ。だんだんと赤が飽和していって黄色に転び、さらに白飛びしちゃうのである。特にダイナミックレンジが狭いコンパクトデジカメで起きやすい現象。ちょっと残念である。
ホワイトバランスは、最近のデジカメは優秀なのでオートのままでいいだろうが、より確実に赤みを出すなら太陽光より日陰にした方がいいし、わざとらしい赤がいやならオートがいいだろう。
あとはタイミングを見計らって、構図を決めてたくさん撮ろう、である。いきなり初日の出、ではなくて普段の夕焼けや日の出である程度カメラのクセを知っておくのが一番いいことだ。
コンパクト系のデジカメで朝日や夕日を撮るときの注意事項を述べてきたが、基本的なセッティングさえしっかりできていれば、あとは朝日や夕日のある空間をどう切り取るか、という問題にかかってくる。
基本的なところでは、空を広めに撮るか大地を広めに撮るか。
それだけで雰囲気ががらっと変わる。この場合は「雲一つない空だったこと」と「水面があったこと」で、大地を多めに入れた方が雰囲気が出た。
夕日は雲の具合がその表情を大きく左右するので、雲をどう処理するかで美しさは大きく変わってくる。
これは雲が嘘くさいほどダイナミックだったため、ほとんどを空にして広角側で撮ってみた。上の方はまだ青空だが、厚く低い雲を境に夕日があらわれ赤く染めているのがポイント。
これはもう臨機応変ってことだが、とりあえず「水平だけはきちんと保つようにしよう」というのはいえる。水平線や地平線が傾いていたらやはり気になるから。
では、よいお年を。
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