携帯性を失うことなく高い堅牢性を実現した新世代B5モバイル──「dynabook SS MX/M10」東芝 新型dynabook SSシリーズ(2/2 ページ)

» 2005年01月19日 17時00分 公開
[平澤寿康,ITmedia]
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新型dynabook SSシリーズの堅牢性に迫る

 新型dynabook SSシリーズは、実際にどの程度の堅牢性があるのだろうか。そこで今回、実際に新型dynabook SSシリーズを用意して、わざと本体を落下させてみたり、キーボードに水をこぼすなどして、本当にそういったトラブルに耐えられるのか試してみることにした。

 まず落下だが、一般的な事務デスク上からの落下を想定し、本体を床に対して垂直に持ち、床から約70センチほどの高さから落としてみた。今回のテストでは、表面に薄いカーペットが張られた、比較的クッション性がある、いわゆるOA床に落としたこともあるが、本体やショックプロテクターが歪むこともなく、また液晶パネルやHDDも破損せずに、落下直後に正常にWindowsが起動して操作ができた。

 また、ノートPCの脇に置いていたコップをうっかり倒してしまい、あわててすぐに起こしたというケースを想定して、30cc程度の水道水をキーボード上にこぼし、そのまま3分ほど放置してみた。これはかなりヤバイのではないかと思ったのだが、3分経過後に起動中のアプリケーションを終了し、Windowsを終了させて電源を切る、という作業が問題なく行えた。

時間を計測しながら新型dynabook SSシリーズのキーボードに水道水をこぼしてみた

 もちろん、こういった性能が保証されているわけではないので、無闇に試すべきでないのは当然だが、今回行ってみた実験を見ても、新型dynabook SSシリーズがどの程度の堅牢性を持っているのかイメージできるのではないだろうか。

 薄型・軽量化を突き詰めた従来のdynabook SSシリーズと比較すれば、携帯性は若干劣っているかもしれない。とはいえ、この堅牢性によって、安心して携帯できる真のモバイルマシンに仕上がっていると言っても過言ではないだろう。

十分な基本スペックで約7.5時間のバッテリ駆動を確保

 dynabook SS MX/M10は、PCI ExpressおよびDDR2 SDRAMをサポートするインテルの最新チップセットではなく、従来と同じIntel 855GMEチップセットが採用されている。搭載CPUは超低電圧版Pentium M 733(動作クロック1.1GHz)で、1スピンドルの既存モデル「dynabook SS SX/3211LNKW」と基本スペック面に違いはない。バッテリ駆動時間は標準バッテリ使用時で約7.5時間と、モバイルマシンとしては十分な時間を確保している。

 メインメモリは、dynabook SS MXではPC2700 DDR SDRAMを標準で256Mバイト搭載し、最大1280Mバイトまで拡張可能。内蔵HDDは60Gバイトで、標準でDVDスーパーマルチドライブ(DVD+R DLへの書き込みは非対応)を内蔵し、通信機能ではIEEE802.11b/g対応の無線LANと100BASE-TX対応の有線LAN、Bluetooth、赤外線(IrDA 1.1)、モデムを装備するなど、基本スペックは申し分ない。

 拡張性の高さも見逃せないポイントだ。本体左側面にCardBus対応のPCカードスロット(TYPE I/II対応)、本体右側面にはCFカードスロットとSDカードスロットを各1基搭載する。インタフェースでは、3基(左1基、右2基)のUSB2.0と1基のIEEE1394に加え、標準サイズのアナログRGBコネクタも装備する。B5ファイルサイズというコンパクトなボディながら、ビジネス用途で必要とされる拡張性も本体にすべて用意されているわけだ。

dynabook SS MX/M10の右側面(上)と左側面(下)。右側面にはDVDスーパーマルチドライブ、CFカードスロット、SDカードスロット、モデム、IEEE1394、USB2.0×2、左側面にはアナログRGB、USB2.0、PCカードスロットをそれぞれ装備している。100BASE-TX対応有線LANは背面、赤外線は前面に装備する

光学ドライブを切り離して省電力性を実現

 dynabook SS MX/M10にはdynabook SS SXなどと同様に、内蔵無線LAN機能のオン/オフスイッチが本体前面に用意されている。さらに、内蔵光学ドライブの電源を制御するユーティリティが標準でインストールされており、それを利用することで、光学ドライブの電源を切ることも可能だ。これらにより、dynabook SS MX/M10は長時間駆動を実現した。

本体前面に設けられた無線LANのオン/オフスイッチ

 

 ちなみに光学ドライブは、着脱式とはなっていない。光学ドライブが着脱式であれば、取り外してさらに軽量化して、携帯性をより一層高めることができる。この点はやや残念だ。

サイズや重量では計れない真の携帯性を追求

 dynabook SS MX/M10は、非常に優れた堅牢性を実現し、DVDスーパーマルチドライブを標準で内蔵しながら、薄型・軽量性を実現したB5ファイルサイズモバイルノートPCだ。本体サイズは286(幅)×233(奥行き)×28.9〜32.9(高さ)ミリ、重量は約1.65キロと、1スピンドルモデルのdynabook SS SXよりもひとまわり大きいが、他の2スピンドルマシンと比較しても十分満足できる薄型・軽量性が実現されており、優れた堅牢性も含めて、モバイル性能は非常に高いと言ってよいだろう。

 B5ファイルサイズモバイルノートPCは、どちらかと言えばサイズや重量ばかりに注目が集まるが、高い堅牢性による安心して持ち歩ける性能、という点も、もっと注目されてしかるべきである。そういった意味でもこのdynabook SS MX/M10は、非常に魅力的なマシンと言ってよいだろう。

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