文書作成前のネタ集めにピッタリな新発想スクラップブックソフト──「ネタの種」(3/3 ページ)

» 2005年02月10日 00時00分 公開
[川越裕之,ITmedia]
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情報管理機能も充実

 紙に書かれた情報を管理するための機能も充実している。たとえば「マーカ機能」により、重要部分の背景色に好きな色を付けることが可能だ。操作も簡単で、マーカを付けたい部分を範囲選択して、「Ctrl」+「B」キーを押せばよい。解除も同じ方法で行う。

 紙の一つ一つに重要度を設定する「重要度」機能も用意されている。表示モード切替タブの右横にある「普通」アイコンをクリックし、設定したい重要度の項目を選択すると、選択中の紙に重要度を設定できる。デフォルトでは「重要」、「最重要」、「進行中」、「未済」、「Check It!」の5項目が用意され、最大7項目まで利用できる。重要度が設定された紙は、一覧リストで太字や黒以外の文字色で表示され、視認性が大幅に高まる。

 管理機能ではこのほか、紙に「しおり」をはさみ、マウスクリック一つで紙を開く機能や、紙に「つまみ」を表示して、紙をパラパラとめくって文書の先頭数行だけを確認する機能も用意されている。

 さらに紙に書かれた情報の編集・加工機能では、文字数カウント機能、文字整形機能、検索・置換機能や、テキストファイルの結合機能を備えている。

他文書を表示できるマルチビューア機能を搭載

 ネタの種は、テキストファイルやHTMLファイルはもとより、PDFファイルや、GIF、JPEG、PNG形式の画像ファイルが表示できる。また、一太郎、花子をはじめ、WordやExcel、PowerPointなどのデータファイルも、各アプリケーションがインストールされていれば、ネタの種の本文表示エリアにそのまま表示することが可能だ(図8)。つまり、ネタの種をマルチビューアとして使うこともできるのである。

図8:ネタの種でExcelファイルを表示したところ。該当アプリケーションがインストールされていれば、ネタの種で表示することが可能だ

 ちなみに、ネタの種には「一太郎ビューア3.0」が付属しているので、一太郎がインストールされていないPCでも、一太郎のデータファイルを表示できる。

Webページ情報の編集・加工も可能

 ネタの種はHTMLの簡易編集機能を備えているため、取り込んだWebページ情報に対して、文字の大きさや色を変更して重要部分を強調したり、コメントや覚え書きを残すといった加工・編集を加えることができる。HTMLエディタとしては簡易なものだが、情報管理という視点で考えると十分な機能であり、また、ソースモードも備えているので、HTMLの文法を知っているユーザーであればタグを駆使した編集も可能だ。

 一覧リストでHTMLファイルを選択すると、本文表示エリアでは「見る」タブが選択された状態で表示される。「見る」モードはHTMLファイルの閲覧だけが可能なので、「加工する」タブを選択して加工可能なモードに切り替える。すると、ワープロ感覚でHTMLを編集できるようになる(図9)。

図9:HTMLの簡易編集機能により、Webページから取り込んだ情報にマーカを塗って目立たせるといった加工・編集を施すことができる

 サポートしている編集機能は、「文字の拡大・縮小」、「文字色の指定」、「背景色/背景画像の指定」、「太字指定」、「マーカ機能」、「段落配置」、「画像の貼り付け」で、「HTMLファイルの結合」機能も備えている。

 なお、「ソース」タブを選択すれば、HTMLドキュメントを直接編集することも可能だ。

一太郎があれば文書仕上げも簡単

 ネタの種を使って収集した情報は、一太郎2005に渡して文書にまとめ上げることができる。ネタの種は単体で使っても十分便利なツールだが、一太郎と連携させることで、より発展的に活用することが可能だ。

 一太郎2005にデータを渡すには、渡したい紙(テキストファイル)を一覧リストから選択して「加工する」タブをクリックする。「加工する」ダイアログが表示されるので、ダイアログ内の「一太郎形式に変換する」タブを選択し、変換後の文書スタイルとして、「アウトライン」か「基本編集」のいずれかを選択する(図10)。

図10:収集した情報を一太郎形式に変換できる。複数の紙(テキストファイル)を選択することで、一太郎形式に一括変換することも可能だ

 変換が終了すると一太郎が起動し、変換後の文書が表示される。「アウトライン」を選択した場合は、文書が見出しなどのレイアウトを自動的に整えたスタイルに変換されて表示される。

情報活動の指令塔

 これまで解説してきたように、ネタの種は膨大な情報を手軽に収集・管理し、編集・加工できる情報スクラップブックソフトである。集めた情報は、一太郎2005に転送して文書に仕上げたり、HTML形式に変換して情報発信することが可能だ。

 ネタの種は、簡単な操作で情報収集から情報発信までの全プロセスをカバーできる手頃で魅力的な知的支援ツールといえるだろう。

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