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» 2005年04月19日 10時00分 公開

インタビュー:TabletPCの現在、そして未来を語る──モバイルプラットフォーム事業部GMインタビュー (1/2)

TabletPCはノートPC市場のメインストリームに対して、フェーズに合わせて普及のターゲットを広げてきた。さらに将来的には、タブレットの機能はすべてのノートPCにも搭載されるようになるという。米マイクロソフト モバイルプラットフォーム事業部 ジェネラルマネージャーにTabletPCの現在と未来を聞いた。

[栗田昌宜,ITmedia]

すべてのノートPCにタブレットの機能が含まれるようになる

 2002年11月にリリースされたTabletPCは、フェーズに合わせて普及のターゲットを広げてきた。最初は特定業種向けの用途が特定された端末としてであり、次のフェーズとしてこの春、普通のノートPCと比べても、価格的にも性能的にもひけを取らない新しいTabletPCが東芝からリリースされた。さらにTabletPCは次のフェーズに向けて進化しており、近い将来、あらゆるノートPCにタブレットの機能が搭載されていくという。

 米マイクロソフト モバイルプラットフォーム事業部 ジェネラルマネージャーのピーター・ロフォルテ氏に、TabletPCの現在と未来を伺った。

愛用のTabletPCを使用しながらインタビューに答える米マイクロソフト モバイルプラットフォーム事業部 ジェネラルマネージャーのピーター・ロフォルテ氏

ITmedia 今回の来日の目的を教えてください。

ロフォルテ 顧客企業や開発パートナー企業からTabletPCに対するフィードバックを得ることです。マイクロソフトはTabletPCでも、日本市場に非常に強くコミットしています。Windows XP TabletPC Edition 2005では、手書き文字の認識率向上やインタフェースの改善を図りました。おかげさまで市場の反応も良好で、導入企業も大幅に増加しています。

ITmedia 公表できるユーザー事例などはありますでしょうか。

ロフォルテ 三菱電機ビルテクノサービスがすでに4000台以上のTabletPCをフィールドサービス用に導入済みです。TabletPCは通常のノートPCよりも使いやすく効率的だという評価をいただいています。

 滋賀医科大学付属病院では、医療行為や投薬の指示をコンピュータネットワークを介して行うオーダリングシステムや患者の診断、症状・容態管理用に200台のTabletPCを導入しました。青山学院大学では、約100台のTabletPCをEラーニング分野で使用しています。また、ゼネコンの西松建設では、竣工検査用に100台以上のTabletPCを導入しました。これにより、検査に要するコストが半減したと聞いています。

 TabletPCの導入企業は着実に増えており、数字は公表できませんが、売り上げも順調に伸びています。

ITmedia TabletPCは今後どのような分野がターゲットとなるのでしょうか。

ロフォルテ PCを机から離して使用したいというニーズがある分野では、どんな業態でもターゲットになると思っています。ですので、その質問に答えるのはとても難しい。なぜならそれは、ノートPCはどの分野に向いているか、どういう人がノートPCを必要としているのか、というのと同じ意味の質問であるからです。

 あえて例を挙げれば、教育分野。また、紙の申込書を使っている業種・業態も、ペーパーレス化およびダイレクト処理化という意味でTabletPCの潜在市場です。

ITmedia 今後TabletPCはノートPCと不可分な関係になっていくということなのでしょうか。

ロフォルテ そうです。そしてその兆候は、確実に現れてきています。東芝が発売した「dynabook R10」はその好例でしょう。

東芝が発売したコンシューマー向けコンバーチブル型TabletPC「dynabook R10」

 dynabook R10は、大画面で光学ドライブやフルサイズのキーボードが付いていて、フル機能のノートPCとして使用できます。また、ディスプレイを回転させれば、TabletPCとしても使用できる。つまり、通常のノートPCに比べて利用範囲が広いわけです。

 不可分というよりも、すべてのノートPCはタブレットの機能を備えているのが前提になりつつあると言った方がよいかもしれません。PCにマウスが付いているのが当たり前のように、ノートPCにタブレットの機能が付いているのが当たり前になっていくでしょう。そして、ペン操作系の一般化により、ユビキタスが実現できると考えています。

タッチパネル&ペン操作が急速に一般化

ITmedia dynabook R10がターゲットとしているコンシューマー向け市場を活性化させていくためにどのようなことを計画しているのでしょうか。

ロフォルテ コンシューマーが簡単にTabletPCを購入し、活用できる体制作りが重要だと考えています。

 そのための最初のステップは、コンシューマーのニーズにきちんと応えられるハードウェアを用意することです。コンシューマーは価格に敏感で、ある程度低価格であることが大切です。また、大きくて見やすいディスプレイやDVDビデオの視聴機能など、コンシューマーがあって当たり前と思っている条件をクリアしていなければならない。そして、それを実現したのがdynabook R10です。

dynabook R10を手に持ち、コンシューマーへの訴求ポイントを解説するロフォルテ氏
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