家庭内に1人1台ペースでPCを導入しているという家庭も多くなってきたが、この時に意外に困るのがプリントアウトではないだろうか。
プリンタはPC周辺機器の中でも利用頻度が多いが、だからといって1台1台にプリンタを用意するということは普通せず、1台のプリンタを共有化して使うことになる。
共有化にあたり一番手っ取り早いのは、メインPCなどあるPC1台に直接接続して、共有設定を行うやり方だ。ただしこの方法の場合は、プリンタを接続したPCの電源が入ってなければLAN内の別PCではプリントができない。1人で複数台利用するといったシチュエーションの場合はともかく、家族一人ひとりが各部屋で使うといった場合はかなり面倒だ。
これを解決するのがプリントサーバである。今後は各個人の部屋から印刷を実行、プリンタは家庭内の共有スペース、例えばリビングルームなどに置いておく、というのがホームネットワーク時代のスマートな共有の仕方となってくるだろう。
そんなプリントサーバの中から今回は、キヤノンイメージングシステムテクノロジーズ製プリントサーバ「NetHawk WP100」で簡単プリンタ共有環境の構築を行ってみることにした。
NetHawk WP100は、キヤノン製品用の純正USBプリントサーバと言える。本体には前後面併せて2基のUSB2.0ポート、100BASE-TX LANポートとIEEE802.11g/b対応無線LANによるネットワーク機能が搭載されている。
主な特徴は、IEEE802.11b/g対応無線LANの採用によるケーブル配線の手間なしにプリンタ接続ができること、そしていわゆる“キヤノン純正”と位置づけることができることによる、双方向通信を正式にサポートすることだ。これにより、PCに直接プリンタを接続する場合と同様のプリンタ機能を、プリントサーバ接続においてもフル活用できる。
対応プリンタはキヤノン製PIXUSやPIXUS MPシリーズ、サテラ/レーザーショットである。ちなみにこの製品の対応表にはこれらしか掲載されていないので、基本的にはキヤノン製プリンタ専用と捉えるのがよいだろう。
なおUSBポートを2基搭載することで、1つめをプリンタに、2つめにはUSB接続タイプのHDDやUSBメモリなどのストレージ機器や、デジタルカメラなどを接続して共有することもできるし、もう一台プリンタを接続するといったことができる。
対応プリンタ | 製品型番 |
PIXUSシリーズ | iP90、iP9910、iP8600、iP8100、iP7100、iP4100、iP3100、iP2000、iP1500、iP6100D、9900i、6500i、6100i、990i、960i、860i、560i、80i、900PD、475PD、950i、850i、550i |
PIXUS MPシリーズ | MP900、MP790、MP770、MP390、MP370、MP360、MP740、MP710、MP730、MP700 |
サテラ/レーザショットシリーズ | LBP3600、LBP3200、LBP-2410、LBP-1210、LBP-1120 |
動作確認済みUSBストレージデバイス | 製品名 |
USB HDD | アイ・オー・データ機器「HDH-U250」、「HAD-iU160M」ほか |
USBメモリ | アイ・オー・データ機器「EasyDiskPlatinum EDP-256M」ほか |
NetHawk WP100の大きな特徴の1つである「双方向通信対応」機能は、インク残量などプリンタ側の情報が取得できること、そしてプリンタのほかスキャナ機能なども搭載する複合機タイプのマルチファンクションプリンタを接続する場合には、搭載するスキャナ機能やメモリカードリーダー機能もネットワーク越しに利用できるところだろう。
既存のプリントサーバ機器では、PCからプリンタへ印刷命令を送ることはできても、その逆プリンタからPCへ上記のような情報を送る機能には対応していないことが多かった。同製品はいわゆる“キヤノン純正”として、上記製品に対して完全な動作検証が行われていることがポイントとなる。
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