「Digital Photo Professional」で、イメージ通りの色を再現キヤノン「PIXUS iP9910」のすべて(3/3 ページ)

» 2005年03月03日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]
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印刷サンプル(A4)

 印刷サンプルの上段は、RAWデータ現像ソフト「Digital Photo Professional」からカラーマネジメント出力したもの(DPP出力)。設定は本文中で述べたとおりで、EOS 10DでRAW撮影したデータを直接プリントした。

 一方下段は、簡単印刷ツール「Easy-PhotoPrint」からデフォルト出力したもの(EPP出力)。設定は、印刷品質のみ「画質優先」に変更している(デフォルトは「標準設定」)。

青空と花畑



青空と花畑の印刷サンプル(DPP出力)

青空と花畑の印刷サンプル(EPP出力)
 DPP出力(上)は、実際の風景イメージにかなり近い。EPP出力(下)に比べて発色が若干淡くなっているが、花畑の黄色とオレンジの色が自然だ。このような風景写真では、記憶色重視のEPP出力と、ナチュラル指向のDPP出力の違いが比較的よく分かる

花とミニカー



花とミニカーの印刷サンプル(DPP出力)

花とミニカーの印刷サンプル(EPP出力)
 DPP出力(上)は、中間調の深みと柔らかさが秀逸だ。特に葉っぱの緑がEPP出力(下)よりも自然である。花びら、葉っぱ、ミニカーの中間階調も、EPP出力と比べてなだらかに表現されている。黄色い花の彩度がやや高くなったものの、ミニカーの色は実物に近い

* Web掲載の図版は、DPP出力とEPP出力の発色特性の違いがわかるように、強めの色調整を施しています。また、さまざまな理由により、実際の印刷サンプルとは見え方が異なることがある点にご留意下さい。

 念のため補足しておくと、EPP出力の発色性能がDPP出力よりも劣っている、というわけではない。DPP出力が素材色重視なのに対し、EPP出力は記憶色重視というだけの違いだ。どちらを「高画質」と感じるかは、完全に好みの問題である。

 以上、DPPとPIXUS iP9910によるカラーマネジメント出力を見てきたが、両者の連携性と発色性能は申し分ない。DPPに対応したキヤノンのデジタル一眼レフカメラとPIXUS iP9910があれば、高機能なフォトレタッチソフトを使わなくても、自分の「写真」を思い通りに表現できるだろう。

 PIXUS iP9910によって、デジタル写真がますます楽しくなるはずだ。


 第3回では、著名プロカメラマンによるPIXUS iP9910+「Digital Photo Professional」&「Easy-PhotoPrint」のインプレッションレビューを掲載する。撮影時にイメージした通りの「写真」に仕上がるかや、現像から出力に至るまでの使い勝手など、プロカメラマンの感性でPIXUS iP9910の“写真力”に肉薄する予定だ。ご期待下さい。

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