漫画同人の視点で見る、最大最強の液晶ペンタブレット――「Cintiq 21UX」(後編)(2/3 ページ)

» 2005年03月11日 16時00分 公開
[ITmedia]

価格は35万円前後。でも「新しい描き方ができるようになる」可能性

 しばし21UXを触ったシコタホAは「大型化と高解像度化で画像の閲覧性が高まってるのはすごくいい」。「ただ、大型化が“描くこと”にプラスになるかどうかは、人によるんじゃないだろうか」という。

 というのも、大きな紙にラフをばーっと描いてアイデアを出したりするタイプの人や、漫画で見開きを多用する人はとにかく便利だと思うが、シコタホAのように「旧15インチCintiqの『中心から右下方向の15〜20センチ四方』でしか描かない」というちんまりしたスタイルが染みついてしまった人の場合はちょっと慣れも必要である。

「デカさが逆に邪魔になってしまうかも。Photoshopとかの操作もペンでするわけで……画面がでかいと手を移動する距離も大きくなるから、ひんぱんにメニューをペンでいじりながら長時間使用すると、ちょっと疲れたりするのかなあ。周辺部でペン先とカーソルの位置ズレが相対的に大きいかも、というのもちょっと気になる」という。

 しかし「どんなスタイルの人であれ、使っていくうちに大画面・高解像度に適応した新しい描き方ができるようになるかもしれない。使い込みながら、色々な可能性を開拓していくのも楽しいんじゃないだろうか」と素直に評価した。

アマチュアゆえの悩ましさ――「“ITちゃん”じゃなあ……」

 ちなみにCintiq 21UXの実売価格は約35万円(ITmedia Shoppingで最安値をチェックする)となる。

 同クラスの液晶ディスプレイは20万円以上する製品も多い(ITmedia Shoppingで関連製品の価格をチェックする)し、これにintuos 3相当のタブレット機能が付いてるということになる。

photo intuos 3シリーズ

 かつての最大サイズモデルであった18.1インチパネル搭載の「Cintiq C-1800SX」がSXGAでほぼ同じ実売価格だったことを考えれば、「実は安いと思う」といい、「プロなら、大画面化とタブレット部の向上には高い価値がある。21.3インチUXGAならメインディスプレイとしてもまったく不足はない。プロなら、作業効率の向上分の元はすぐ取れるだろう」と付け加えた。

photo かつての最大サイズモデル「Cintiq C-1800SX」

プロなら」を強調するシコタホAの本心は──「うちのサークルの売上高は知ってるだろう………。アマチュアにはちょっと大げさかもね(苦笑)」。

 彼のように「単なる道楽」でやってる純然たるアマチュアには「オーバースペック感はどうしてもあるし、置き場所の確保も大変だろうな。これほどの機械を使ってアウトプットするような漫画、描いてないもん」。そうだよなあ、「ITちゃん」じゃなあ……。

そんなシコタホA、「無理を承知で言わせてくれ」

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