東芝がノートPCを二つに分断?ディスプレイ部をワイヤレスで切り離した新タブレットPCを提案CeBIT 2005

ノートPCの液晶部と本体を切り離せたらどうなる? 技術コンセプトのデモながら、東芝はPCの本体部とディスプレイの間を802.11b/gで接続し、コンピュータ画面を表示させる技術をデモンストレーションしていた。

» 2005年03月11日 21時05分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 試作機は12.1インチXGA液晶パネルを使ったもので、ディスプレイ部の重さは530グラム。現行Tablet PCの抱える問題(片手で抱えて疲れない重さの実現やCPUの熱からの開放)に対する回答になると説明している。

 具体的なプロトコルについて東芝は詳細を語っていないが、描画はビットマップで行われており、画面中の書き換えられた部分だけの更新差分を抽出し、さらにリアルタイムの圧縮を行うことで高速な書き換えを可能にしている。ただし現時点ではタブレット操作の情報はワイヤレスでは交換していない。

 現時点ではTablet PCの新しいスタイルとしての提案だが、今後は同様の技術を用いることで、リビングのTVにワイヤレスでPCの画面を映すといったことも可能になるだろう。現時点ではあくまでも技術デモだが、技術的な問題は既にほとんどない。以前にも同様の技術を松下電器などが発表しているが、バーティカルな用途提案がほとんどだった。

画像 ディスプレイ部と本体が分離しているTablet PC

 一方、大規模な展示会ではおなじみになっている燃料電池の参考展示を今回も行った。筐体サイズはむしろ前回の展示よりも大きくなっているようだが、性能やバッテリー持続時間を重視した結果だと担当者は話す。

画像 燃料電池

 ただしサイズが大きいかわりに薄めていない高濃度メタノール燃料が利用できる。1カートリッジは100ccで約10時間の駆動が行えるとか。最大供給電力は20ワット程度で、低消費電力のPCならば十分に対応可能なレベルに達しているようだ。

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 高濃度メタノールを使う場合、燃料電池自身のサイズは大きくなるというが、東芝は燃料あたりの駆動時間を重視し、今後も高濃度メタノールでの開発を続ける。

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