なお、秋葉原クロスフィールドにおけるもう一つの拠点となるテナントオフィスビル「秋葉原UDX」は、約1年後の2006年3月にオープン予定としている。1〜4階をカフェ・レストラン街/ショウルーム/イベントスペースなどを配置する集客機能を、高層階を一般テナントオフィスフロアとする。
秋葉原ダイビルと秋葉原UDXは、JR秋葉原駅電気街口とデッキにて接続され、スムースな人の流れを作るよう設計される。また、2つのビル地下に、総計900台分の駐車場も完備する(本日オープンした秋葉原ダイビル地下には121台分設置)。
アキバは駐車場が少なく、自動車で来る場合に不便が挙げられることもある(関連記事参照)が、本年9月オープン予定の「ヨドバシカメラ秋葉原店(仮名)」の地階にも駐車場が設置される予定であることも総じて、自動車での来街客増加も大幅に見込める。
これら、人の流れをも当然想定し建設されている駅前再開発地区がすべて完成すれば、大幅な集客力が生じることはやや容易に想像はできる。ただしJR秋葉原(および地下鉄秋葉原、常磐新線秋葉原)駅前は、である。懸念されるのは、中央通りの向こう側、そして地下鉄末広町駅あたりまでの、いわゆるPCパーツショップが密集するエリアだ。
オープニングセレモニーに出席していた秋葉原電気街振興会会長 小野一志氏はこの再開発地区を「電気街のランドマーク、あるいは先端技術のテーマパークとなる」と言う。もちろん秋葉原という街全体としてみるとその通りだと思うが、人の流れが駅前とそのごく周辺だけに留まるようだと、向こう側のエリアにあるPCパーツショップにとってはどのような結果となるのだろうか。
あるPCパーツショップ店長氏はこの完成後の人の流れについて「アキバは街全体でマーケティングを行っています。人流入が増えれば比例してお客様も増え、マーケットが大幅に広がることでしょう。ただ、私らのいるまったく反対側となる線路向こう側の大型量販店(注:ヨドバシカメラ)の驚異は、オープンが近づくにつれひしひしと現実感が沸いてきています」と、少なからず危機感があることは間違いなく、より厳しい競争となることは容易に想像できそうだ。
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