以上MTVX2005とMTVGA 9550Lを一通り試してきたが、もう1点気になった点がある。それはオーディオ出力に関して、キャプチャーカード上からサウンドカード上のLINE入力端子に接続するか、ステレオミニプラグによりキャプチャーボード上のLINE-OUT端子からサウンドカードのLINE-IN端子に接続が必要な点だ。
最近のキャプチャーカードでは、これらの接続は必要のない作りの製品がほとんどの中、同社製品のみがMTVシリーズの頃からの仕様を引きずってしまっている。もちろん、よりよい音質のためなど理由はあると思われるが、ユーザーにしてみればセットアップは少しでも楽に済むに越したことはないはずという考え方もできる。
また、複数枚接続で利用する際などには、2枚までならカード上のLine-Inと外部プラグのLine-Inを使えばどうにかなるが、3枚目以降を搭載しようとした場合音声の入力ができなくなるなどの不便な面も出てきそうなので、この点は再度検討してほしい部分だ。
MTVX2005は、キャプチャーカードとしてはかなり完成度が高い。TV視聴・録画ソフトのFEATHER2005の使い勝手に関しても、実際に試したユーザーの意見を見ていると賛否両論分かれているらしいが、個人的には大型のUIを採用したデザインには好感を持っている。
MTVGA 9550Lについては、最新グラフィックスチップと比べて発熱量の低いRADEON 9550を採用しHDTV出力が可能で、別途購入すると4000円ほどもするATI製DVI−コンポーネント変換コネクタが付属して1万円前半という価格が魅力的だ。
もちろん最新グラフィックスチップ搭載のグラフィックスカードを使うのももちろんいいが(同社でも、RADEON X800XL搭載、PCI Express x16対応の「MTVGA X800XL」などもラインアップされている)、これらの多くは発熱量も多いため、当然ファンを搭載する。同社が言うように3Dゲームはやらない……といったユーザーにとっては、TV録画用PCとして利用するのであれば、かつビデオサーバ機能も併用するのであれば、騒音面も気になる、つまりファンレス仕様が望ましいといったことが考えられる。そのため、TV視聴・録画環境をはとりあえずPCで揃えつつも、家庭用の大型TVにも出力したいとユーザーは、MTVGA 9550Lはかなり有力な選択肢と言える。
正直MTVシリーズの末期には勢いの衰えを感じた同社のビデオキャプチャーカード戦略だったが、MTVXシリーズの登場以降、少しずつ盛り返しているように感じるのは著者だけではないはずだ。今後はMTVXシリーズでWチューナー搭載、単体でW録画が可能な製品の登場などを期待したいところだ。
ちなみに先日、Wチューナー+XCode II-Lを搭載する同社ハイエンドモデル「MTVX-WHF」が発表された。
画質追求のためPCI内蔵モデルながら外部チューナー仕様にし、3次元ノイズリダクション/3次元Y/C分離チップを計4基も搭載するなど、さらなるこだわりようが垣間見える製品となり、FEATHER2005の機能アップ版「FEATHER2005 V2」も付属される。価格は4万9980円とこれまたハイエンドだ。
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