LL770/CDは、本体に備えるスイッチやリモコンから起動できるインスタント機能を備えている。これは、Windows XPを起動せずにテレビの視聴やDVD-Video、音楽CDの再生が電源投入後すぐに利用できる、AV利用を重視する最近のノートPCでは必須ともいえる機能だ。
この機能を利用するには、まず、初回起動時にインスタント機能専用の領域作成を行う。これに意外と時間がかかるので、買ってきてすぐインスタント機能が使えるわけではない点には注意したい。
領域作成の時間は大体10分前後で、作業が完了すると一度電源がオフになり、そこで再度テレビボタンやDVDボタンを押すことでインスタント機能が起動する。その動きを見ていると、組み込み用の専用Windowsが起動して、テレビ視聴/DVD再生ソフト「Media Garage」専用の領域を作成しているようだ。
Windows上でインスタント機能が動いているので、ほかのLinuxベースのインスタント機能では難しい、HDDへのテレビ録画も行えそうだが、残念ながらLeVie LLのインスタント機能でもテレビ録画を行うことはできない。録画をしたい場合には別途Windowsの再起動が必要になる。
Windows上ではNECの定番テレビ視聴ソフト「SmartVision」を使えるが、前述のMedia GarageもWindows上で起動可能。つまり、LL770/CDでは2つのテレビ視聴ソフトが使えるわけだが、ユーザーからすればどのように使い分ければいいのか、少々分かりにくいかもしれない。
録画予約の情報や録画済みデータについては両ソフトで共有しているらしく、デフォルトの状態で試した限り、どちらからでも録画、再生が可能だし、予約情報も一方で設定した情報がもう一方にも反映されていた。
Media Garageは最近流行の大型のUIをもち、リモコンで操作することを前提に設計されているため、その使い勝手は快適、にも関わらず、Media Garage1本に統一しなかった理由として、数が多いSmartVisionユーザーを考慮しているのは十分に考えられる。一方で、リモコンのテレビボタンを押すと、まず最初にMedia Garageが起動するあたりからは、「Media Garage」を使ってほしい、というNECの意図もうかがえる。
大きなアイコンでリモコンで操作しやすいMedia Garage、多機能性で細かい設定が可能なSmartVisionというそれぞれの性格と、録画予約や保存データの共有ができることを考えると、「テレビとして使うときのUIとしてのMedia Garage、高度な設定を行う設定画面としてのSmartVision」という使い分けがベストなのかもしれない。
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