入門その3「PICライターでプログラムを書き込む」春だからはじめる工作教室(3/3 ページ)

» 2005年05月10日 17時00分 公開
[小林哲雄,ITmedia]
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「マイキット」感覚で配線

 お次は実験回路の作成だ。……小学生時代、親は筆者にマイキットをプレゼントしてくれた。どうやら前期版マイキット150だったらしい、という話をすると「それは電子ブロックじゃないの?」とよく言われる。

 電子ブロック(復刻版も出ている)はパーツの入ったブロックを平面的に配置して回路を作る。組める回路のパターンがある程度決まっていて、電子ブロックでオリジナルの回路を作るには、電子ブロック独特の「ブロック配置テクニック」が必要になる。

 筆者が買ってもらったマイキットは、パーツがあらかじめ本体に固定されていて、バネの端子間をワイヤーで結べばよいため、超絶なる立体配線(スパゲッティとも言う……)が可能だった。子供心には電子ブロック欲しかったけど。

 さらに中学高校時代になると試作用パーツとして「ブレッドボード」なるものが登場したが、こちらは高くて当時は手が出なかった。しかし、今だと秋月電子で結構安く売っている。よし、当時の恨みをいま晴らそうぞ!(こうして大人買いの道を突き進む)

 ブレッドボードは試作用の汎用配線板で、ICピッチに並んだ穴にパーツを差してテスト回路を作ってしまおう、というもの。配線材料を差し込んで回路を作ってしまうノリはマイキット感覚だ。今回入手したのはEIC-102BJで700円なり。これだと配線材料も付いていて便利だ。ブレッドボードは縦方向(上下の電源ラインは左右に)導通しているので、ICを差したらピンの脇にパーツを差せばよい。パーツでうまく配線すれば、配線材料なしに回路が組めてしまう。

これがブレッドボード。縦の穴は導通があるので横にパーツを並べて配線する

 今回の連載で行う工作では、このブレッドボード以外に以下のものを使う。写真の試作では抵抗をバラで購入できる千石電商で入手した。なお、千石電商では75オームが売っていないので68オームで代用している。もしも通販で購入する場合はまとめて秋月電子で買うのがよいだろう。また、150オームを二本並列に取り付けて75オーム、75オームを二本直列に取り付けて150オームにしてもよい。

抵抗75オーム1袋(約100本入り)100円
抵抗150オーム1袋(約100本入り)100円
RGBフルカラーLED200円
PIC12F675150円

 これに電源配線を別途用意した。5ボルトの電源としてEIAJ-2のプラグの付いた機器(最近はこのタイプが多い)を使っているので、EIAJ-2ジャックに電線を半田付けし、反対側の電線には抵抗のリード線を半田付けしたものを作った。これだとブレッドボードに直接差し込むことができるので便利だ。

 ここで使うRGBフルカラーLEDは去年の夏に行った工作教室で使ったものとは異なり、自動点滅装置は入っていない。RGBとコモン端子が出ているからあとは自分でガンバレ、というもの。そのガンバリを今回PICに任せようというわけだ。フルカラーと言っても別に赤が緑に光ってもとくに問題はないのだが、配線を簡単にわかりやすくするため

GP0=緑

GP1=青

GP2=赤

 で配線した。この辺は下で光っている画像と、配線図を参考にして欲しい。

テスト回路全景。隅っこのほうにチマチマと配線してみました

通電してピカピカと光れば問題なし。たったこれだけのパーツでできるのがプログラムの力

実際の配線はこのようになる。A-E、F-Jまで導通があるので、GNDはPICの8ピンとLEDのCと導通がある

 実際の配線はシンプルだ。0オームも使っているが、これは余った抵抗の足かブレッドボードに付属しているワイヤーを使えばよい。もちろん、この程度ならばユニバーサル基板とICソケットでも作れる。配線が正しく行えているか、再度チェックしてから電源を繋いでみよう。ピカピカ(1秒刻みだからピカ〜ピカ〜程度か?)と白く光っただろうか?

 前回、IDE環境で開発したプログラムの動作確認として実際にLEDを光らせてみたが、せっかくのフルカラーLEDなのにモノクロ点滅かよ!というツッコミに対応するため、次回は「マイコンは無限の可能性」という30年近く前のキャッチフレーズを思い出しつつ「ちゃんとフルカラーで光らせる」予定だ。

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