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» 2005年05月27日 11時00分 公開

マイクロソフト、次世代TabletPCのコンセプトモデルを初披露

マイクロソフトは都内で行われた開発者向けコンファレンス「WinHEC 2005 Highlights」で、次世代TabletPCのコンセプトモデルを本邦初公開した。スライド式の液晶タブレットを搭載し、ノートPCモードとピュアタブレットモードを瞬時に行き来できるのが特徴だ。

[栗田昌宜,ITmedia]

Longhornに向けたTabletPCのコンセプトモデル

 マイクロソフトは5月24日、東京都内で開発者向けのハードウェアコンファレンス「WinHEC 2005 Highlights」を開催した。このイベントは、4月25日〜27日に米シアトルで開催された「Microsoft Windows Hardware Engineering Conference 2005(WinHEC 2005)」から特に注目度の高いセッションなどを抜粋し、国内の開発者に向けて情報発信するために催されたもの。

 午前に行われた基調講演の話題の中心は、6月1日よりボリュームライセンスの提供が開始される64ビット版Windows XP Professional「Windows XP Professional x64 Edition(x64)」と、国内のイベントでは初のお披露目となる次世代Windows「Longhorn(コードネーム)」だったが(イベントの詳細は5月24日の関連記事を参照)、Longhornによる新たなコンピューティングエクスペリエンスを実現するためのコンセプトPCとして、モバイル性に優れ、ノートPCとピュアタブレットの両モードを瞬時に行き来できる次世代TabletPCのモックアップも披露された。

 なお、次世代TabletPCのモックアップは、ビル・ゲイツ会長が演者を務めたWinHEC 2005の基調講演で初公開されたもので(4月26日の関連記事参照)、日本国内ではもちろん初めての紹介となる。

ノートPC - ピュアタブレットを瞬時に行き来できるギミックを採用

 次世代TabletPCのモックアップが披露されたのは、Microsoft Windowsハードウェアプラットフォームエバンジェリズム ディレクター マーシャル・ブルーマ氏によって行われたLonghornのデモンストレーションのとき。

次世代版TabletPCのモックアップを掲げるMicrosoft Windowsハードウェアプラットフォームエバンジェリズム ディレクター マーシャル・ブルーマ氏

 同氏は、エンドユーザーのコンピューティングエクスペリエンスを新たなフェーズへ高めるためには、もっと簡単にアクセスできること、いつでも使えること、簡単に入力できること、どこでも使えること、が重要だとし、それを実現するためのコンセプトPCとして、次世代TabletPCと超小型モバイルPCのモックアップ、およびサブディスプレイシステムを紹介した。

Longhorn時代のコンセプトPCとして、次世代TabletPCや超小型モバイルPC、サブディスプレイを搭載したノートPCが紹介された

 超小型モバイルPCは、7インチクラスの液晶ディスプレイを搭載する。ノートPCとPDAとの中間に位置付けられる常時携帯型のデバイスだが、PCのすべての機能に加え、デジタルカメラ機能なども装備している。省電力性に優れており、バッテリで丸1日駆動できる。サブディスプレイはノートPCの天板などに搭載され、メインの液晶ディスプレイを開けることなくメールやスケジュールなどを随時確認できる。

 一方、次世代TabletPCは、記者席からの遠望なので詳細は不明だが、10.4インチクラスの液晶タブレットを搭載する。液晶タブレット部は前後可動式のスタンドを介して本体にフローティングマウントされており、キーボード面の上空を前後にスライドさせることにより、ノートPCモードとピュアタブレットモードを瞬時に切り替えることが可能だ。

ピュアタブレットモードに切り替えられた次世代TabletPCのモックアップ。液晶タブレット部の下部を前方に引き出してキーボード面に被せることにより、ノートPCモードからピュアタブレットモードに切り替われる

 このギミックが優れているのは、ハードウェア的に両モードを瞬時に切り替えられる点だけではない。

 市販されているコンバーチブル型TabletPCはすべて、液晶タブレット部と本体との接合部を軸に、液晶タブレット側と天板側を180度回転させることによって、ノートPCモードとピュアタブレットモードを切り替える方式をとっている。しかしこの方式では、モードを切り替えると画面の天地が反対になるため(ノートPCモード時の画面の下側は、ピュアタブレットモード時には上側になる)、モードを切り替えるたびごとに画面の天地を反転させる必要があった。

 これに対し次世代TabletPCのモックアップでは、ノートPCモード時の画面の下側はピュアタブレットモード時でも下側になるため、画面の逆転、およびそれを解消するための天地の反転による使用感の断絶も発生しない。ノートPCモードとピュアタブレットモードのシームレスさが、このギミックの特筆すべき特徴と言えるだろう。

 もちろん、披露されたモックアップはあくまでもコンセプトモデルであり、同じギミックを身にまとった製品が実際に発売されるとは限らない。また、Longhornのクライアント版がリリースされるのは2006年末なので、次世代TabletPCの製品版が登場するのもそれ以降のことである。

 だが、Windows XPではスーパーセットの位置付けだったタブレットの機能がLonghornでは標準機能になるわけで、今回のモックアップにも負けないコンセプトとギミックを備えた次世代TabletPCが続々と登場してくることも、大いに期待できそうだ。

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