私は如何にして“収納”するのを止めて“捨てる”技術を身につけたか。(3/3 ページ)

» 2005年06月14日 00時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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もうひとつの魅力。「名刺ファイリングOCR」

 ScanSnapには、ドキュメントスキャン以外に、もうひとつ便利な機能がある。それが名刺スキャンだ。

 名刺スキャナに関しては多くの製品が出回っているが、ScanSnapの強みは最初からシートフィーダ機能が備わっていること。名刺でも複数枚の一括スキャンが可能になっている。

「名刺ファイリングOCR」で名刺をスキャンした直後。名刺のデザインにもよるが、修正作業前でも認識率はかなり高い。筆者は他の市販名刺OCRキットもこれまで試したが、その中でもトップクラスの認識精度を持つ。特に電話番号やメールアドレスの認識はほぼ完璧なので、「名前」と「社名」の修正だけすれば、後の検索が楽になる

 私の場合、名刺スキャンをするのは週に1回。だいたい15〜30枚程度なので、1回のスキャン作業で取り込みは終わる。ScanSnapに付属する「名刺ファイリングOCR」では、スキャンした名刺の自動OCRが行われる。

 OCRの常で100%の認識率は望めないが、名刺イメージも一緒に管理されるため、「名前」と「会社名」だけを正しく修正しておけば、後々の検索で困ることはない。Excelと連携させて顧客名簿を作るなど、高度な使い方をするのでなければ、OCR認識は“寛容かつ適当”にやるのが、名刺のデジタル化を長続きさせるコツである。

名刺ファイリングOCRの検索機能。実用的なのは、会社名での「絞り込み」→「名前で検索」。絞り込み結果がサムネイル表示されるので、1社あたりの枚数が少なければ、社名による絞り込みだけで目的の名刺が見つかるだろう

 一度デジタル化してしまえば、紙の原本はシュレッダにかけられる。ノートPCならばデータごと持ち歩けるので、外出先でとっさに連絡が取りたいときにも便利だ。

 ScanSnap+名刺ファイリングOCRは、デジタル化が容易で高速、手間がかからないのが魅力だ。「名刺OCRは手間がかかる」と敬遠していた人にも勧められる。名刺を扱うビジネスパーソン全般の強い味方になるだろう。

捨てられない・片づかない現場にScanSnapを

 個人、そして会社の単位でも、扱う情報量は指数関数的に増えている。それに付随して、蓄積されるペーパーメディアも増加。個々人の性格を別にしても、「捨てられない・片づかない」現場は増えているだろう。

 だが、スペース効率や、情報活用による生産性向上のためには、あらゆる書類はデジタル化した上で捨てた方がよい。ずぼらな私は収納するのを止めて、捨てるための手段としてScanSnapを導入したが、これは大正解であった。コスト削減だけでなく、生産性が向上したのだ。片づかない現場というのは、それだけムダが多かったということだろう。

 ペーパーレス社会などという古くさい理想を持ち出す必要はない。もっと現実的な、「捨てる技術」の実践にScanSnapの活用を考えみてはどうだろうか。

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