ScanSnapには、ドキュメントスキャン以外に、もうひとつ便利な機能がある。それが名刺スキャンだ。
名刺スキャナに関しては多くの製品が出回っているが、ScanSnapの強みは最初からシートフィーダ機能が備わっていること。名刺でも複数枚の一括スキャンが可能になっている。
私の場合、名刺スキャンをするのは週に1回。だいたい15〜30枚程度なので、1回のスキャン作業で取り込みは終わる。ScanSnapに付属する「名刺ファイリングOCR」では、スキャンした名刺の自動OCRが行われる。
OCRの常で100%の認識率は望めないが、名刺イメージも一緒に管理されるため、「名前」と「会社名」だけを正しく修正しておけば、後々の検索で困ることはない。Excelと連携させて顧客名簿を作るなど、高度な使い方をするのでなければ、OCR認識は“寛容かつ適当”にやるのが、名刺のデジタル化を長続きさせるコツである。
一度デジタル化してしまえば、紙の原本はシュレッダにかけられる。ノートPCならばデータごと持ち歩けるので、外出先でとっさに連絡が取りたいときにも便利だ。
ScanSnap+名刺ファイリングOCRは、デジタル化が容易で高速、手間がかからないのが魅力だ。「名刺OCRは手間がかかる」と敬遠していた人にも勧められる。名刺を扱うビジネスパーソン全般の強い味方になるだろう。
個人、そして会社の単位でも、扱う情報量は指数関数的に増えている。それに付随して、蓄積されるペーパーメディアも増加。個々人の性格を別にしても、「捨てられない・片づかない」現場は増えているだろう。
だが、スペース効率や、情報活用による生産性向上のためには、あらゆる書類はデジタル化した上で捨てた方がよい。ずぼらな私は収納するのを止めて、捨てるための手段としてScanSnapを導入したが、これは大正解であった。コスト削減だけでなく、生産性が向上したのだ。片づかない現場というのは、それだけムダが多かったということだろう。
ペーパーレス社会などという古くさい理想を持ち出す必要はない。もっと現実的な、「捨てる技術」の実践にScanSnapの活用を考えみてはどうだろうか。
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