XCode II-L+Wチューナー搭載のほぼ決定版キャプチャーカード──「GV-MVP/GXW」TVキャプチャーカード(4/4 ページ)

» 2005年06月14日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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改善されたチューナー間の画質差、価格差も補える機能と性能

 GV-MVP/GXWは同社の製品としては、「GV-MVP/GX」のダブルチューナー版であると同時に、ダブルチューナー製品である「GV-MVP/RX2W」の上位版という位置付けでもある。そのGV-MVP/RX2Wで気になっていたのが、2つのチューナーの画質差、厳密にいうと「受信感度の違い」があったことである。

 (試用した)GV-MVP/RX2Wでは、明らかに2つめのチューナーの受信感度が低く、これが目に見える形での画質差につながったことがあった。強電界な受信環境であればいいのだが、都市部であっても集合住宅では共同受信でそれほど強い電波が届かない場合もある。筆者宅もまさにそれ。とくにNHK教育の電波が弱く、GV-MVP/RX2Wで録画した場合にNHK教育は目に見えて画質が違ったのである。

 一方、今回試したGV-MVP/GXWでは若干の色合いの違いこそは感じたが、とくにGV-MVP/RX2Wのときほど“違う”という印象は受けなかった。基板をよく見てみると、GV-MVP/RX2Wでは1つめのチューナー内部で分岐している(少なくとも構造的にはそう見える)のに対し、GV-MVP/GXWではチューナーの手前で分岐されている構造に変更されたようだ。この部分が効いているのだろう。

photo チューナー分岐部の違い。左がGV-MVP/GXW、右がGV-MVP/RX2W

 画質については、シングルチューナー版の「GV-MVP/GX」(レビュー参照)と傾向はほぼ同じだ。さすがにD1解像度でビットレート1Mbpsでは、シーンチェンジ時で破綻もしてしまうことがあるが(一瞬どかっとブロックノイズだらけの画面になることがある)、一般的なLPモードのビットレート2Mbps以上を確保すれば、大きな破綻もなく高解像度での録画ができる。

 「おまかせ録画」時でもとりあえずビットレート2Mbps以上で録画しておけば、保存版とする気はなかったけどやっぱりDVDに保存しておこう、といった場合でも画質に大きな不満が残ることはないだろう。価格差と採用チップが異なっていることで当然といえば当然だが、同社GV-MVP/RX2Wと比較しても低ビットレート時での録画品質はこちらがやはり上だ。

 またバンドルソフトの1つであるサイバーリンク「PowerProducer 3」では、フィットモードでハードウェアトランスレート機能が利用できる。DVDメディアに収まるように容量を調整するといったときはもちろん、1枚に長時間録画した番組を収めたい/画質は低くてもいいので大量に記録しておきたいといった時でも、XCode IIを利用して高速に再エンコードを行ってくれる。

 今回の使用環境ではフィットモードで再エンコードしつつ、DVDオーサリングを行ったとしてもCPU使用率は25%前後とほどほど低く、ほかの作業も平行してスムースに行うことができた。

photo 再エンコードを行いながらのオーサリング作業時であってもCPU使用率は20%程度。右下に「ハードウェアでタイトルを記録中...」と表示されている

 さてこのGV-MVP/GXWは、冒頭で触れた通り、価格面でもシングルチューナー版と比較してもコストパフォーマンスはよいし、同社「GV-MVP/RX2」に代表されるスタンダードクラスのTVキャプチャーカードと比較すると、画質面のアドバンテージは確実にある。

 より低ビットレートで実用画質が得られるのであれば、それだけHDDやDVDメディアといった保存媒体の消費量を少なくできるし、使い方によっては価格差はすぐ取り返せる場合もあるだろう。とにかく地上波アナログ放送をバリバリ録画する、という人ならやや高めの価格も納得いくはずだ。

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