搭載エンコードチップはViXS「XCode II-L」。最近採用するメーカーが増え、そこそこ評判もよい。XCode II-Lは、1チップで2ストリーム分処理が行えるので、2番組同時録画時もこのチップ1つで行える。なおチップ変更に伴い設定可能なビットレートは、日本電気「μPD61153」を搭載する「MTVX2005」(レビュー参照)の最大15Mbpsから、最大25Mbps(Iフレーム)が再び利用可能になった。さらに録画済みデータをハードウェア的にトランスレート(ビットレート調整などのMPEG再変換)ができる機能も備えている。
高画質化チップについては、3次元Y/C分離と3次元ノイズリダクションが同時利用可能な松下電器製チップ、そして日本電気製ゴーストリデュースチップを搭載するなど、こちらも高画質へのこだわりが感じられるつくりだ。
通常のTVアンテナで地上アナログ放送を受信する場合には、環境によってはゴースト以外にも多くのノイズが乗りやすい。そうした環境で使用する多くのユーザーはノイズリダクションだけではノイズを取りきれないこともあるため、3次元Y/C分離機能との併用ができることはメリットの1つであるといえる。
MTVX-WHFと、手持ちのMTVX2005とで画質の差を見比べてみると、MTVX2005で有効にした3次元ノイズリダクションだけでは取りきれていなかったノイズが、MTVX-WHFでは3次元Y/C分離とノイズリダクションのダブル高画質化回路の効果できれいに除去されている。
またアナログ入力端子経由となるが、デジタルチューナーの接続により、アナログ信号用コピーガード方式「CGMS-A」が施された放送の録画、再生も可能で、編集や変換が行えないなどの点含めて前モデルなどと同様(関連記事参照)の仕様となっている。
XCode II-Lよりエンコードされた録画データは、色の再現性が高く鮮やかで、不満は感じさせない画質だ。1Mbps程度の低いビットレートでもそこそこ見られる画質を保つことができる「低ビットレートでのエンコードに強い」点は、2番組同時録画対応により、番組を好きなだけ多数録画し保存するようなユーザーにとっても大きなメリットとなるだろう。
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