10万円未満で買えるWideSXGA+対応21.1インチワイド液晶ディスプレイ──ナナオ「FlexScan S2110W」(3/3 ページ)

» 2005年07月13日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]
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独自ASICの搭載による高機能もポイント

 S2110Wには、ナナオ独自のASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)が搭載されている。液晶ディスプレイにおけるASICは、OSDにある画質の調整機能やその他の機能を決定する。先述した内部ガンマ補正も独自ASICによるものだ。

 まず画質の調整機能を列挙すると、明るさ、色温度(500K刻みで4000K〜10000K、および9300K)、ガンマ(0.2刻みで1.4〜3.0)、色の濃さ、色合い(色相)、ゲイン(RGB個別)、6色調整(RGB/CMYの色相を個別調整)だ。ただし、すべてを使いこなすには相応の知識が必要となるため、デフォルトで使うのが無難である。変更する場合でも、明るさと色温度くらいにとどめておいた方がよい。そのほかの項目を下手に変更すると、階調が欠落したり、色が狂ったりと、画質を損ねかねないからである。

 従来からのファインコントラスト機能も搭載している。これは表示内容に最適な画質モードに簡単に切り替える機能だ。S2110W前面の左/右スイッチによって、sRGB/Text/Picture/Movie/Customという画質モードがローテーションする。大雑把に言うと、Textモードは暗め、Picture/Movieモードは明るめの画面だ。また、上記に挙げた画質調整項目をすべて変更できるのは、Customモードだけとなる。

ファインコントラスト機能の画面表示 前面の左/右スイッチを押すと、sRGB/Text/Picture/Movie/Customの各画質モードが切り替わる。写真はTextモードで、刈り取られた牧草や奥に見える緑が他の写真に比べて暗い点に注目

 画質調整とファインコントラスト機能の画面モードは、ユーティリティの「ScreenManager Pro for LCD」からでも変更できる。マウスで操作できるので、S2110W本体のスイッチよりも使いやすい。アプリケーションに応じて画面モードを自動的に切り替える、オートファインコントラスト機能もある。

 もう1つ、1680×1050ドット以外の解像度を表示するとき、3通りの表示モードを選べるのも大きな特徴だ。フルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、実ドット表示の3通りで、この機能を持った液晶ディスプレイは貴重な存在となっている。

 1680×1050ドットは横長ワイドの解像度なので、アスペクト比が4:3の映像を全画面表示で見たり、ゲームをプレイするときに、実ドット表示とアスペクト比保持拡大のありがたさを実感できる。こうした表示方法はビデオカードのドライバ機能で実現可能な場合もあるが、液晶ディスプレイ側で行える方が使いやすく、ビデオカードを選ばない点もよい。

アスペクト比保持
フルスクリーン拡大 XGA(1024×768ドット)の画面サイズをアスペクト比保持(写真上)とフルスクリーン拡大(写真下)で表示させたところ。もちろん実ドットで表示させることもできる

大画面/高解像度モデルのブレイクスルーになるか?

 S2110Wが主なターゲット層とするのは、グラフィックスやCADなどのプロユーザーや、高解像度の必要性からCRTを使い続けているユーザーとなっているが、個人ユーザーにもかなりオススメだ。WideSXGA+の高解像度はとても使いやすく、応答速度が高い点も個人向けといえる。

 高画質で高機能、そして10万円以下とくれば、指名買いする人が続出してもおかしくない。冒頭でも述べたが、17/19インチSXGAを超える大画面液晶ディスプレイの牽引役となるだろう。

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提供:株式会社 ナナオ
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日