LAN Tankは、基本的にはLinuxによるBOX型マシンだが、初期状態でメディアサーバとして動作するアプリケーションが備わっているのは魅力の1つ。メディアサーバとして利用するだけなら基本的にはTCP/IP関連の設定ができる知識だけあれば扱える。ファイルサーバとしてもWebDAVやFTPを利用すればファイルの読み書きも行える。
しかし初期状態ではいくつかの課題もある。まずWebDAVでのファイル読み書き速度が実質30Mbps程度の速度しか出ないことと、1Gバイトを超えるファイルを転送できないことだ。
速度面はともかくとして、MPEG-2ファイルを扱いたい場合には最大1Gバイトの制限はかなり痛い。また標準では名前解決ができないため、事実上はプライベートIPアドレスを固定して運用せざるをえないのも初期の難点の1つに挙げられるだろう(編集部注:下記のSamba導入以外にも、Windows 2000/XP環境のユーザーであれば、IPネットワーク上のコンピュータやデバイスなどを自動的に検出するサービス(プログラム)である、アップルコンピュータ「bonjour」導入により、「http://lantank.local./」にて検出が可能、固定のURLにて利用できるようになります)。
これらの問題は、Sambaを導入することでほぼ解決する。Samba導入によりWindowsから共有ドライブとしてのアクセスが可能になり、ファイルサイズの制限もなくなる。WebDAVで1つファイル転送をするたびに発生する待ち時間もなくなり、転送速度もまったく同じマシン/ネットワーク構成で50Mから60Mbpsと、実質のファイル転送速度は3倍程度まで引きあがる。
さらにたとえば「LANTANK」といったネットワーク名でのアクセスが可能になる。設定画面も「http://lantank」といった形で呼び出しも可能で、DHCPクライアントとしての運用にも難がなくなるメリットがある。
ではSamba導入していこう。Sambaの詳細はこちらを参照していただくとして、ここでは詳細には触れないが、作業そのものはさほど時間はかからない。作業を列挙すると以下のようになる。
# telnet 192.168.***.*** Trying 192.168.***.***... |
Debian GNU/Linux 3.1 LANTANK LANTANK login: admin Password: Last login: Web Jul 20 13:05:32 2005 from 192.168.108.28 on pts/0 (略) admin@LANTANK:~$ su Password: |
初期設定済みのユーザーアカウント | |
設定画面アクセス用 | ID:admin PASS: |
Shareフォルダアクセス用 | ID:share PASS:password |
ftpアクセス用 | ID:ftpusr PASS:password |
telnetアクセス用 | ID:admin PASS:password |
root | PASS:tmaster |
ブラウザからの設定画面で設定したDNSサーバアドレスがきちんと設定されていることを確認する。設定されていない場合は、テキストエディタ viで正しい記述に修正する。Webツールの設定画面では正常に設定できず、DNSサーバアドレスの設定がうまく反映されない場合があるからだ。viでファイルを開き、該当箇所を修正し、[:wq]と入力すると保存して閉じる。
LANTANK:/home/admin# vi /etc/resolv.conf |
viの基本的な操作コマンド (この作業に必要なもののみ。詳細はこちらを参照) | |
●コマンドモード(起動直後はこのモード) | |
k | カーソル上 |
j | カーソル下 |
h | カーソル左 |
l | カーソル右 |
x | カーソル上の文字削除 |
a | カーソルの右から文字入力、復帰は[ESC] |
i | カーソル上から文字入力、復帰は[ESC] |
: | 「行コマンドモード」に移行 |
※文字入力時には[BackSpace]も利用可能 | |
●行コマンドモード | |
w | 編集したファイルを書き込み(保存) |
wq | 編集したファイルを書き込み後viを終了(保存して終了) |
q | viを終了 |
q! | 編集結果を反映させずにviを終了(保存しないで終了) |
[ESC] | コマンドモードに移行 |
LANTANK:/home/admin# vi /etc/apt/sources.list |
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