Digital Cowboyから登場した「DC-MC25U」は、ユーザーが2.5インチHDDを組み込むことで各種映像・音楽・画像ファイルの再生を可能とするHDDメディアプレーヤー。HDD+LAN共有が可能という新しいメディアプレーヤーの形を提唱した3.5インチHDD搭載タイプのHDDプレーヤー「DC-MC35UL」(レビュー参照)に続くDigital Cowboyの第2弾となる製品だ。
DC-MC25Uは、いわゆるHDDが付属しないキットとして発売され、ユーザーが任意のIDE2.5インチHDDを組み込んで利用するタイプとなる。デコードチップに、現在この手の製品で採用例が増えているSigma Designs「EM8511」を採用し、再生可能な動画フォーマットはMPEG-1/2やDivX(に代表されるMPEG-4 SimpleProfile)に対応、音声フォーマットはMP3/WMA/Ogg Vorvisに対応しており、これ以外に静止画としてjpegもサポートする。
EM8511採用ということで、サポートフォーマットとして特筆すべき部分はないが、メジャーなものは概ねサポートしているといってよいだろう。Windows Media Videoに関しては競合製品もほとんどサポートしておらず、とくに見劣りする部分はない。
ビデオ出力はRCAに加えて、1080iまでサポートするコンポーネント出力に対応、オーディオ出力もアナログに加えて同軸デジタル出力もサポートする。各インタフェースは変換ケーブルにて接続するタイプとなるが、2.5インチHDDモデルというコンパクトな本機をTVから離れた位置に設置するといったことは少なそうなので、さほど困ることはないだろう。
また、USB2.0接続にて外付けHDDとしても動作可能、マスストレージクラス対応なのでWindows XP/2000 Professionalであればドライバレスで認識され、さらにバスパワー駆動も可能となっている。とくに消費電力の大きなHDDを組み込まないかぎりACアダプタなしに活用できるのは3.5インチモデルにはないメリットの1つといえる。ただし、メディアプレーヤー機能はUSB給電にて動作というわけにはいかないのは残念なところだ。
今回は、9.5ミリ厚・4200rpmモデルとなる日立GST「DK23DA-30」(30Gバイト)、同「DK23EA-60」(60Gバイト)、5400rpmモデルとなる、同「Travelstar 5K80 HTS548040M9AT00」(40Gバイト)の3台を内蔵して試してみた。2.5インチ外付けHDDとしては、自作PC/ノートPC(エプソンダイレクト「EDiCube S160P」)で問題なくバスパワー駆動できた。
パーティションタイプはFAT32/NTFSに対応し、Windowsで利用していたHDDであれば再フォーマットなしにそのまま組み込める。3.5インチHDDとは異なり2.5インチHDDの場合は、普段からマルチメディアファイルの保存用として利用していたものを流用、というケースは少ないだろうが、Windows XP/2000 ProfessionalがOSの機能では32Gバイト以上のFAT32パーティションを作成できないこともあり、NTFSをサポートしている点は、昨今のHDDメディアプレーヤーキットではもはや必須の機能といえるだろう。
HDDの着脱はすこぶる容易だ。ワンアクションで外せるロック機構付きの背面カバーを外すだけで、ドライバーレスにて内部アクセスができるようになっており、内部基板は後方にごっそり引き出せる。2.5インチHDDは基板に直付けされたIDEコネクタにスライドさせるようにはめ込んで、基板底面からネジ止めするだけである。
なお2.5インチHDDはそもそも軽量なので、IDEコネクタ部分への接続と閉じるカバーで押さえつけるだけでも大丈夫そうだ。ねじ止めしないでHDDを設置し、軽く振り回してもみたがHDDが外れるとかカタカタずれるような音がするといったことはなかった。もちろんHDDはネジで固定するのが本来の使い方で、安心であるのは当然のことなのだが。
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