FAXの受信もとくに難しい操作は必要ない。自動受信する設定にしておけば、実際のFAXのように自動的に受け取れる。
受信したFAXデータはPCのディスプレイで内容が確認できる。ちなみにプリンタを接続していれば、受信後ダイレクトに印刷するといった、通常のFAX機器のような使い方も可能だ。設定により、FAX機器と同じ環境も構築できる柔軟さも魅力の1つとなっている。
さてオフィス用FAX機器とは異なり、家庭用FAX機器ではA3サイズといった大きな用紙サイズまで対応しているものは少ない。個人事業ユーザーは、これら家庭用FAX機器を業務用として使っていることも多いと思われる。
たとえばある会社から、A3サイズの原稿も普通に送れる業務用FAXでA3サイズのFAXが送られて来るとする。そのサイズに対応していない機器で受信した場合には自動的に縮小され、A4サイズほどに縮小されて出力されてしまうことになる。縮小されたことで、細かい文字が判別できないということも起こり得る。いったん縮小されて文字がつぶれて印刷されてしまうとFAX機器では対処の方法がない。先方に拡大して再送信もらうなどの依頼が必要となることもあり、ビジネス的にも効率が悪く、相手への印象も心配だ。
対してPC FAXならば画像データとして扱えるため、データをロスすることなく受信が可能。しかも細かい部分は自由に拡大して確認できるといったことも容易である。なおモノクロFAX時には、傾きを検知して自動的に補正したり、FAX特有のノイズを軽減する機能も搭載されている。
冒頭で紹介した同ソフト専用FAXモデム「ME5614D2 for まいと〜く」の利用により、対応しているナンバーディスプレイ機能を活用し、さらなる高度なFAX管理ができるようになる(注:PC向けとして気軽に使えるナンバーディスプレイ対応のモデムはほとんど市販されていない)。
とくに便利なのは、FAX自動振り分け機能だ。発信者番号により、受信データを保存するフォルダの作成から振り分けまでを自動化してくれるもの。振り分け機能をメールソフトで活用しているユーザーは多いだろうが、それと同じようなことをFAXでも活用できる。
細かい条件設定も可能だが、とりあえずは条件の設定はとくに必要なくプロパティ画面で「振り分け」を有効にするだけ。あとは、送受信時に送信先/元ごとにフォルダが自動作成され、振り分けられる。これなら、PC操作にとりわけ詳しいわけではないユーザーも苦労なく利用できそうだ。
この機能のポイントは、多数のFAXをやりとりする際の手間を大きく軽減してくれるだけでなく、完全に残る履歴の管理が心強い。用件が一段落したFAXをひとまとめにしたあとで、また必要になり書類の山を捜索したという経験をした人は多いはず。とはいえ、かさばる用紙をすべて取っておくのもかなりのスペースが必要だし、ファイリングの手間もかかる。いつでも送信先・受信元ごとの過去のデータを瞬時に探せる振り分け機能は、仕事の効率を大きく向上させてくれるだろう。
また、ナンバーディスプレイ機能を活用することで広告FAXやいたずら電話など受信を拒否するといったこともできる。もともとペーパーレスなので、夜間に送られた迷惑FAXで紙切れを起こし、業務に必要なFAXを取り逃すといったことはなく、ムダに回線を占有されることもない。もちろん逆に、許可した番号のみを受信するといった設定も行える。
もう1つ、FAXを受信後に正常に受け取ったことを報告するFAXを自動的に返信する機能も備えている。FAXによる発注書や報告書の送受信を業務の1つとしているユーザーとっては、よりうれしい機能であることだろう。もちろんこの機能にも、送信者の番号による拒否や許可の設定ができる。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年11月13日