例えば、表示しているPowerPointのスライドに対して、現在説明している部分に印やラインを入れて注目を集める、というのは、基本となるテクニックのひとつだ。また、絶対に相手に伝えたいキーワードはスライドには記載せず、プレゼンの最中に直接スライドに書き込む、というのも、相手に強い印象を残すテクニックと言える。
さらに、質疑応答で“書く”ことを併用するのも、重要なテクニックであると飯島氏は指摘する。
スライドの最後に白紙ページを用意しておき、質疑応答時にそのページを利用して、実際に文字や図解などを書き込みながら説明をする。これが非常に有効な手段となる。しゃべり言葉だけでは説明しづらいような内容でも、ポイントとなる言葉や数字、図形、グラフ、概念図などを書いて具体的に示すことで、わかりやすく解説できる。しかも、質疑応答はプレゼンの締めのセッションであり、質疑応答の印象・評価が高ければ、プレゼン全体の印象・評価を引き上げることにもなる。これは非常に重要なポイントと言えるだろう。
タブレットPCには、“書く”こと以外のメリットもある。例えば、サードパーティ製ツールの「VisualClip」を利用すれば、ペンで囲んだ一部分のみを拡大して表示することが可能だが、これは単に内容を見やすくするだけでなく、その操作自体で見ている人に大きなインパクトを与えるという効果もある。
また、VGA出力を無線化できる機材を利用すれば、より自由度の高いスタイルでプレゼンが可能となる。コマツトライリンクのプロジェクタサーバ「AirProjector」がそれにあたる。
例えば、少人数が相手の対面プレゼンであれば、PCの画面を直接見せつつ説明することが可能だが、相手が多人数の場合は大型ディスプレイやプロジェクタに画面を投影しつつのプレゼンとなるため、PCと大型ディスプレイやプロジェクタとをつなぐケーブルの長さの範囲内がプレゼンターの立ち位置となる。
しかしAirProjectorを利用すれば、そのような場所の制約から解放される。手にタブレットPCを持ち、プレゼン相手の側を歩き回りながら、文字や図解などを書き込みつつプレゼンすることも可能となるわけだ。このインパクトは極めて大きく、これまでのプレゼンに対するイメージを大きく変える可能性も秘めている。
最後の例は、タブレットPCとは直接関係ないかもしれない。しかし、今回こういった話を聞きつつ、タブレットPCを利用したプレゼンのデモを見せていただくことで、他を圧倒する印象やインパクトを受け手に与えることができるということが非常に強く伝わってきた。
タブレットPCは単なるツールであり、それを使いこなせるかどうかは使う人次第である。しかし、ビジネスシーンで利用することを想定すると、一般的なノートPCとは比較にならないほどの可能性を秘めていると言える。少なくとも、ライバルに差を付ける“勝てるプレゼン”を実現するツールとして、タブレットPCは有効に活用できるはずだ。
もし、タブレットPCを利用したプレゼンの威力がまだよく分からないというのであれば、マイクロソフトのWebサイトにタブレットPCを利用したプレゼンのデモ映像が公開されているので、そちらを参照してほしい。その映像を見ることで、プレゼンに対するイメージが大きく変わるはずである。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日