まずは、電源を投入しWindows XPのデスクトップ画面が表示され、マウスポインタの砂時計が消えるまで時間を5回計測し、その平均値を出した。使用した環境は以下の通り。比較には、同じくOSクリーンインストールしたUltra ATA/100接続の120GバイトHDD(7200rpm/2Mバッファ)を用いた。
CPU | Athlon 64 3000+ |
マザーボード | ギガバイト「GA-K8NS Ultra-939」(nForce 3チップセット搭載) |
HDD | Ultra ATA/100接続120Gバイト(比較用)+80Gバイト |
メモリ | PC3200 256Mバイト×4 |
起動時間(差) | |
IDE接続HDD | 58秒 |
MTG-6617 | 46秒(-12秒) |
起動時間はUltra ATA接続HDD時より10秒ほど早く、効果もやや体感できた。BIOSの起動時間が変わらないことを考えれば、17%のスピードアップは上等といえるだろう。
次は別のHDD上からブートし、データディスクとしてデータ転送時間を比較する。別HDDからWindows Explorerによる約1Gバイトのファイルの転送時間を5回計測し、その平均値を出した。比較Ultra ATA HDDは光学ドライブを外したセカンダリポート/マスターで接続している。
転送時間(差 転送レート) | |
IDE接続HDD | 3分18秒(約5Mバイト/秒) |
MTG-6617 | 2分37秒(-41秒 約6.3Mバイト/秒) |
結果は約40秒の差、約26%の向上が確認できた。旧世代のnForce 3とUltra ATA HDD環境で試したあるためでもあるが、結構差が付いたのは驚いた。BIOS起動などの時間がないぶん、ストレージとインタフェースの差がダイレクトに反映されたといえる。
MTG-6617の価格は4000円前後。この手の変換アダプタとしては平均的で、導入しやすい価格帯である。ただし2GバイトCFは値が下がってきたとはいえ、1万円台後半から高速タイプのものだと3万円ほどする。なお4Gバイトモデルだと2万円前半から、8Gバイトモデルだと7万円台後半という価格となっている。今回のような用途ではややパフォーマンスが落ちると思われるが、マイクロドライブはもう少し安価傾向のため、こちらを活用するのも悪くはない。
たとえば容量を必要とするファイルストレージとしてはNASや外付けHDDを活用したりしてもいいし、そもそもインストールに1Gバイト以上を要するWindows XPでというより、ACアダプタタイプで騒音レベルも低い小型ベアボーンとLinuxなどのOSを用いて超静音・コンパクトサーバ用途にといった使い方はおおいに考えられる。
同機を活用するCF起動システム構築は現状、CFそのものの価格やHDDと比較した耐久性の点で、初期導入費やランニングコスト含めて総合的にやや高価に、管理もシビアになってしまうかもしれないが、徹底静音志向のユーザーであれば導入してみる価値は十分にあることだろう。
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