シーゲイトとマックストアの「完全なる統合」はない2006 International CES

» 2006年01月04日 16時14分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 CESで展示される製品を事前に披露するプレイベント「CES Unveiled」は、CESの出展ベンダーにとっても「各国メディアとの顔合わせにちょうどいいチャンス」ということで、幹部スタッフがさりげなく会場に立っていることが“まれに”ある。シーゲイトのGlobal Consumer Electronics Marketing Directorのロブ・ペイト氏もそんな奇特な幹部スタッフの一人だ。

 シーゲイトといえば、昨年末にマックストアの買収を表明して、関連業界とPCユーザーを驚かせたのも記憶に新しいところ。とはいえ、マックストアの経営状況や、シーゲイトの圧倒的なシェアなど、ビジネス的な大きな視点では「ありそうな話」だったのかもしれない。

 ただ、競合だった両社は市場が完全に重なるラインアップをそろえている。「PCユーザーの視点」としては、多くのユーザーに親しまれてきた「Barracuda」「DiamondMax」といったそれぞれの主力ブランドの行く末が気になるところでもある。

 ニュースが報じられてから初めてとなる大規模イベントに姿を現したシーゲイトの幹部スタッフのペイト氏に、「シーゲイトとマックストアの合併はPCユーザーにどう影響するのか」といったあたりの「現場の声」を聞いてみた。

──シーゲイトとマックストアそれぞれのラインアップは整理されるのですか。

ペイト氏 両社のラインアップはそのまま継続される。

──でも、それぞれのラインアップは多くのレンジでターゲットが重なっていますよね

ペイト氏 統合に関する作業が完了するまでは、シーゲイトもマックストアも独立した企業なので、それぞれの製品でビジネスを行っていくことになる。

──ということは、両社の統合作業が完成したときにラインアップが整理されるのですか。

ペイト氏 いや、その時点でもラインアップは整理されないだろう。

──では、会社がひとつになっても、同じ市場に2種類のラインアップを投入するのですか。

ペイト氏 そうだ。シーゲイトのラインアップとマックストアのラインアップはそれぞれ独立して存在させる。これはシーゲイトとマックストアの統合によって対応できる市場範囲を増やすというよりは、いまある市場でより細かい柔軟な製品の提供を行っていくためだ。

──(ペイト氏が小型HDDの対衝撃性能を高めるためによりシーゲイトが大きなHDDで培ったノウハウを反映している、という説明をしたのちに)シーゲイトが独自に開発して蓄えたノウハウをマックストアにも提供しますか。

ペイト氏 ぐっ、そ、それはしない。

──統合しても技術的情報は共有しないのですか

ペイト氏 それもしない(ただし、すでに報じられたニュースでシーゲイトのCEOはそれぞれの独自技術を両社で利用すると述べている)。

──ひとつの会社で開発や生産ライン、ラインアップを二重にしていると、なにかと不利だと思いますが

ペイト氏 私はこの件に関して発言できる立場でないが、作業が完了してもシーゲイトとマックストアは完全に統合することはないだろう、と個人的に思っている。

──この買収でシーゲイトがマックストアに求めるものはなんですか。

ペイト氏 それについても発言できる立場ではないが、あえて言えば、彼らの「売り上げ」かな。はっはっは。

「それは立場的にいえないよ」といいながら、けっこうきわどい発言をしていたシーゲイトのロブ・ペイト氏

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