「どこでもテレビ」もこれなら満足──ソニー「VAIO type T」(4/4 ページ)

» 2006年01月06日 15時05分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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 受信可能エリアの境界付近のおいても受信できれば画質はきれいであることは分かった。ならば、東京の街中なら、ワンセグ放送は十分受信できるだろうか。今度は東横線を東に走り、多摩川を越えて(多摩川園、田園調布は職務質問が怖いので、スキップし)、典型的な「東京私鉄沿線のにぎやかな街」の自由が丘をくまなく歩いて、どれだけワンセグ放送が受信できるかチェックしてみた。

 駅前広場に面した窓の大きな喫茶店では、店の奥にある席に座っても問題なく受信可能。アンテナは3本程度立っている。窓際近くの席に座ればアンテナは「バリ5」もいける。細い路地のチェックではカバンにVAIO type Tを入れて持ち歩き、ヘッドフォンから音声が流れているか否かで受信の可否をチェックした。受信できなければ音声も映像も一緒にアウトになるため、この方法でも問題はない。

 細い路地をうろうろ歩いていると、ときおり瞬間的に音が途切れるが、ほとんどのエリアで受信できていた。視聴可能エリアにいる限り、雑音がプチプチ入るラジオよりも画面が乱れまくるアナログテレビよりも、ストレスは少なく快適に放送を視聴できる。「ノートPCでどこでもテレビ」もだいぶ実用的なレベルに到達したと思っていいだろう。

 ちなみに、電車で移動している間もVAIO type Tでワンセグ放送を利用してみた。高架を走る路線という条件の良さもあったが、地下駅に入らない限り移動中でもクリアな画質で番組を視聴できた。ただし、終始、というわけではなく、一時的に受信が途切れることもしばしば発生している。

自由が丘でワンセグ放送を視聴する。表通りに面した喫茶店ならOK。裏通りではどうか?ということで、自由が丘の雑踏を歩き回ってみたがアンテナ2本ながら明瞭な画面が受信できる

 屋内で固定して使うテレビのように、高画質の映像を安定して受信できるわけではないので、「屋外でも屋内でも同じように」とはいかないが、「外歩きの途中、サテンで休んでテレビを見る」という「絶好の暇つぶし」意識で使うなら十分使えると思う(ワンセグ放送の有効性についてはこちらに興味深い考察がなされている。あわせて参考にしていただきたい)。

 携帯電話でもワンセグ放送の録画はできるが、VAIO type Tはそのストレージ容量を生かして「長時間録画」が可能。タイムシフトにも対応するなど「予約録画」以外の使い勝手はPCのアナログ放送関連機能と遜色ない。もちろんデータ放送の受信と表示もできる。

 ただ、「携帯電話より長時間の録画か可能」とといっても、屋内のテレビと使い方が異なるワンセグ放送では、録画は「番組をあとから楽しむ」ためではなく、「情報をメモする」ために行われる。そのため「長時間の録画か可能」という特徴はそれほど意味はもたないのではないだろうか。

 今回登場したVAIO type Tは小型軽量、常時間バッテリー駆動といった優れた携帯性能はそのままに、ワンセグ放送を取り込んだ「遊べる」ノートになっている。「なんか、面白いノートPCはない?」という個性を大事するノートPCユーザーは新しいVAIO type Tがきっと気に入るはずだ。

VAIOオーナーメードモデルでは台数限定の「プレミアムブルー」や新たに加わった「カッパー」などのカラーバリエーションが選択可能。今回の評価機は「カッパー」モデル。以前あった「バーガンディーブラウン」も個人的に気に入っていた(周りの業界関係者にいうと“えぇぇぇー!”といわれるが)が、それよりも落ち着いた色調でさらにいい感じになっている、と個人的には思うのだがいかがだろうか?
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