なぜ日本語入力のために、わざわざお金をかけるのか──私が「ATOK」を手放せないワケ(2/4 ページ)

» 2006年03月20日 00時00分 公開
[松井幹彦,ITmedia]
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操作手順を比較する

 今度は代表的な処理を取り上げて、操作手順を標準IMEと比較してみよう。

 ……というところで、急に内輪の話になるのだが、この記事の作成で新しい担当者と知り合いになった。その方の名前は「昌宜(まさよし)」さんだ。嬉しいことに(!)これが1回で変換されない。うってつけの材料を提供していただいたのだ。

 実際に変換キーを押してみると次のようになっている。

標準IME:正義、正芳、政義、昌義、正好、……

ATOK 2006:昌義、正義、政義、正芳、正好、……

 では、このように一度で変換されない名前の入力手順を比較してみよう。標準IMEの場合は次のような手順となるだろう。

  1. 「まさよし」と入力して変換キーを押す。
  2. 「正義」が表示されるので、もう一度変換キーを押して再変換。
  3. ドロップダウンリストが表示され、9個の候補が表示される。
  4. 希望のデータがないことを確認して、↓キーでドロップダウンリストをスクロールして候補を探す。
  5. 目的の変換候補がないことが分かるので、単漢字による変換を組み合わせることに決定。
  6. 「Shift」+「←」キーで文節を縮小し「まさ」だけで変換する。
  7. 7番目の候補で「昌」を得て、「→」キーで右側の文節に移動。
  8. 「よし」を変換する。ところが、目的の漢字は見つからない……。

 ここで、この状態での漢字変換はあきらめて別の方法での入力を考えなくてはならない。たとえば、部首入力、総画数、手書き、文字コード一覧表から探すなどいろいろ考えられる。筆者の場合なら、「よろしく」→「宜しく」と入力して不要な部分を削除するという方法をとる。

 では同じ変換をATOK 2006でやってみよう。ATOK 2006では、このようなケースに対応して複数の操作法が用意されているが、お勧めは次のような手順になる。

  1. 「まさよし」と入力変換してみて目的の漢字が得られないことを確認し、ESCで変換をいったん中止する。
  2. 上で述べたのと同じ手順で「昌」を入力。
  3. 「よろしく」→「宜しく」と入力して不要な部分を削除する。
  4. 図1が表示される。ここで「Shift」+「Enter」キーを押すと、自動的に単語登録が行われる。
図1:ATOK 2006で新しく追加された「訂正学習機能」。「ESC」キーで変換を中止してから入力し直すと、自動的に学習登録することができる。

 これで、次回からは「まさよし」→「昌宜」の変換が得られるのだ。もちろん、こんな機能があるのはATOKだけだ。

 作業効率を上げる他の機能も紹介しよう。

 例えば、ビジネスメールでよく使う「いつもお世話になっております。」という言葉を書きたいとしよう。通常の入力方法だと、ローマ字入力では「i」「t」「u」「m」「o」「o」「s」「e」「w」「a」「n」「i」「n」「a」「t」「t」「e」「o」「r」「i」「m」「a」「s」「u」「。」とタイプし、変換キー(スペースキーや「変換」キー)を押しているだろう。ところがATOK 2006では、「i」「t」「u」「m」「o」「o」と入力するだけで使いたい言葉が推測表示されるので、あとは「shift」+「Enter」キーで確定するだけだ。この例からも、キータイプを大幅にショートカットできることが分かるだろう。

図2:「推測変換」機能を活用することで、作業効率を大幅にアップできる

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提供:株式会社 ジャストシステム
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年4月19日

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