松下電器産業の軽量ノートPC、Let's noteシリーズは、今年で誕生10周年という節目を迎える。その第1弾として4月25日、最新のNapaプラットフォームを採用したニューモデル4機種が発表された。軽さと頑丈さ、長時間のバッテリー駆動という、モバイルPCの必須要素を追求した同シリーズは「レッツラー」と呼ばれる熱烈なファンを持つほどの人気製品だけに、最新モデルの登場に胸躍らせる人も多いのではないだろうか。
各モデルの詳細はこちらに譲るとして、このダイレクトPC最前線では、1400×1050ドット表示対応の14.1インチ液晶ディスプレイを搭載した2スピンドルモデル、CF-Y5を紹介したい。なお、夏モデルはすべて5月19日より順次発売される予定だ。
Let's note LIGHTシリーズに共通する特徴を挙げるなら、筆頭に来るのは間違いなく「モバイルシーンでの高い適応力」だろう。この特徴を支えているのが、手軽に持ち運べる軽さ、屋外で安心して使える堅牢さ、そしてコンセントから給電を受けられない場所でも長時間使えるという3つの要素だが、本機はこれらを強化することで、モバイルユースへの対応力に磨きをかけている。
従来モデルのCF-Y4は重量が1530グラムと、A4ファイルサイズの2スピンドル機としては異例の軽さを実現していたが、本機は液晶に約0.2ミリ厚の薄型ガラスを採用したほか、右パームレストに内蔵されるDVDスーパーマルチドライブのユニットを軽量化した。加えて、本体を形成するマグネシウム合金の厚みを約0.6ミリから約0.55ミリ(いずれも最薄部)にするなど徹底的な軽量化を行なった結果、ついに1490グラムと1.5キロを下回る数値を達成した。
ちなみに、ボディサイズは前モデルのCF-Y4が309(幅)×243(奥行き)×33〜46(高さ)ミリだったのに対し、本機では309.6(幅)×245.5(奥行き)×28〜44.5(高さ)ミリと、底面積は若干増えたが、逆にスリム化に成功している。外見だけで判断すると、A4ファイルサイズのPCを“モバイル”と呼ぶのは気が引けるが、実際に手に取るとその軽さ(見た目との重量のギャップ)に驚かされる。
軽量化を果たしたにもかかわらず、前モデル以上の堅牢性を手に入れた点も見逃せない。天面は、外見上の大きな特徴であるボンネット構造の裏側にリブ(補強材)を追加したほか、外周には周辺部のゆがみを防止する「パイプ環状構造体」を追加し、外圧が液晶パネルに与える影響を従来以上に減らしている。
また本体部も、底面からの衝撃を吸収する「底面ボンネット構造」や、底面に新設された補強バーにより底面強度を向上し、マザーボードなど主要なパーツを保護している。これらの対策により、本機のボディはほかのLet's note LIGHTシリーズと同じく、天面に100kgfの圧力を加えた状態での振動試験をクリアすることに成功した。
さらに、HDDを包む衝撃吸収材とゴム足に手を加え、非動作時で30センチ、動作時で10センチの高さからPCを落下させてもHDDを保護できる耐衝撃性を備えたのも心強い。モバイル用途では落下事故が常に付きまとうが、HDDさえ生き残っていればデータの紛失という最悪の事態だけは回避可能だ。
目新しいのは、キーボード直下と光学ドライブ、タッチパッドに防水シートをはり、さらに排水路を用意して、キーボードの全面防滴を実現したことだ。ノートPCのそばに置いた飲み物を、キーボード面に誤ってこぼしてしまった経験は筆者以外にも多いかと思うが、実際に液体こぼしによる故障の修理依頼は、落下による破損に次いで多く寄せられているという。こういった事態に対処すべく、コップ1杯(200ミリリットル)程度の水をこぼしても、HDDや主要な基板への浸水をブロックするため、データの消失や高額な修理費用の発生を未然に防いでいるわけだ(ただし、水かけにより壊れないことを保証しているわけではない)。
付属バッテリーは、新開発の高容量セルを採用することにより容量が11.1ボルト5700mAhに増え、バッテリー駆動時間も従来モデルより2時間長い最大約9時間に延びた。光学ドライブが常時稼動し、電力消費が激しいDVDビデオの連続再生も約3時間20分可能だったことから、実際の利用シーンでもバッテリーのみで十分な駆動時間が得られるだろう。なお、バッテリー充電量を80%にセーブして、バッテリーユニット自体の寿命を約1.5倍に延ばすエコノミーモードも引き続き搭載される。
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