プロ向け液晶ディスプレイ「ColorEdge」シリーズにエントリーモデルが登場──ColorEdge CE240Wレビュー編(2/2 ページ)

» 2006年05月18日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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「FlexScan S2410W」をベースにガンマカーブを個別調整

 では、ColorEdge CEシリーズの上位モデル「ColorEdge CE240W」(以下、CE240W)を見ていこう。基本的なスペックと本体デザイン、機能は、すでに何度も紹介している24.1インチワイド液晶ディスプレイ「FlexScan S2410W」(以下、S2410W)と同じだ。S2410Wのレビュー記事も合わせてご一読いただきたい。

ColorEdge CEシリーズの上位モデル「ColorEdge CE240W」
写真素材提供:LinkStyle

 ざっと紹介すると、画面サイズは24.1インチ、パネル解像度はWUXGA(1920×1200ドット)、表面処理はノングレアだ。輝度は450カンデラ/平方メートル、コントラスト比は1000:1、応答速度は白→黒→白(黒→白→黒)が16ms、中間階調が8ms(オーバードライブ搭載)、最大表示色は1677万色(10億6433万色中)、視野角は水平/垂直とも178度となる。

 スタンド部分は定評あるArcSwing 2で、インタフェースはデジタル/アナログ両対応のDVI-Iが2系統、USB2.0ハブを2ポート備える。ディスプレイケーブルは、両端のコネクタがDVI-Dのデジタル接続用と、一方がDVI-I、他方がD-Sub15ピンのアナログ接続用の2本が付属する。

インタフェースは、デジタル/アナログ両対応のDVI-I×2系統(左)とUSB2.0×2ポート(右)を備える

 画面の調整機能として、輝度、色温度(4000K〜10000Kまで500K単位と9300K)、ガンマ、色の濃さ、色合い、ゲイン、6色独立調整が利用できる。また、演算精度が14ビットの内部演算処理と10ビットカラールックアップテーブル(10億6433万色)により、滑らかな階調表現が実現できる。

 ColorEdgeシリーズの一員であるCE240Wは、ガンマカーブを個別調整したうえで出荷され、キャリブレーションソフトのColorNavigatorも付属する。また、ハードウェア・キャリブレーションに対応するために、内部回路も専用に変更されている。この点が、S2410Wとの最大の違いと言ってよい。FlexScanシリーズ用のモニタコントロールソフト「ScreenManager Pro for LCD」には未対応だ。

 プリセット画面モードの「FineContrast」も、S2410Wとは異なる。CE240Wに用意されているのは、「sRGB」、「Custom」、「CAL」(Calibration)という3つのモードで、「Movie」や「Text」、「Picture」といったモードはない。このうち、CALモードはキャリブレーションを行う際に使用するモードで、各種の調整機能はすべて使えなくなる。輝度も100%で固定だ。ユーザー側で独自に調整して利用する場合は、Customモードを使う。Customモードでは、先述した調整機能がすべて有効となる。

「FineContrast」は、「sRGB」(左)、「Custom」(中央)、「CAL」(右)の3種類に統合された。sRGBは輝度のみ、Customはすべての項目を調整できる。CALはキャリブレーション時に使用する

 FineContrastのモードや画面調整の設定は、2系統入力のそれぞれで個別に記憶される。1系統はMacを接続してsRGBモード、もう1系統はWindows PCをつないでCustomモードといったように、2系統を常に別々の設定で使い分けることが可能だ。また、UXGA以下の解像度を表示するときは、フルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、実ドット表示の3通りが選べる。

フルスクリーン拡大(上)、アスペクト比を保持した拡大(中)、実ドット表示(下)の表示例。画面解像度にはXGA(1024×768ドット)を設定している

 画質の詳細は後編でチェックするとして、ファーストインプレッションとしては全体的にやや硬質な印象を受けた。これはVA系パネルの特性でもあるのだが、微妙にザラっとしてギラギラした雰囲気がある。視力が高い人や目の感度がよい人は、少し疲れやすく感じるかもしれない。

 以上、ColorEdgeシリーズ全般の話題と、新モデルのCE240Wについてハードウェア面を述べてきた。後編では、CE240Wに付属するキャリブレーションソフトのColorNavigatorと、詳細な画質チェック、ColorEdgeシリーズに提供されるソリューションメニューなどを紹介していく予定だ。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日