それでは、実際のベンチマークプログラムを利用してそのパフォーマンスに迫っていこう。以前の記事でも説明したとおり筆者のベンチマーク記事は、毎回同じベンチマークプログラムを利用している。その理由は、ベンチマークの選択により、あるプロセッサに有利な結果がでたり、その逆のことが起こったりということを防ぐためだ。どうしてこのようなベンチマークを選択したのかはこちらを参照していただきたい。
CPU | Athlon 64 FX-60以下/Athlon 64 X2 | Athlon 64 FX-62 |
チップセット | nForce4 SLI x16 | nForce 590 SLI |
マザーボード | A8N32-SLI Deluxe | ASUS nForce 590搭載マザー |
メモリ | DDR400 | DDR2-800 |
メモリモジュール | PC3200(3-3-3) | PC2-6400(5-5-5) |
容量 | 1GB | |
ビデオチップ | NVIDIA GeForce 6600(300MHz) | |
ビデオメモリ | 256MB(500MHz) | |
ビデオドライバ | NVIDIA ForceWare 80(v81.89) | |
標準解像度 | 1024x768ドット、32ビットカラー | |
ハードディスク | WesterDigital WD360 | |
フォーマット | NTFS | |
OS | Windows XP Professional+ServicePack2+DirectX9.0c |
CPU | Pentium D/Pentium 4 | Pentium XE |
チップセット | Intel 945G | Intel 975X |
マザーボード | D945GTP | D975XBX |
メモリ | DDR2-667 | DDR2-667 |
メモリモジュール | PC2-5300(5-5-5) | PC2-5300(5-5-5) |
容量 | 1GB | |
ビデオチップ | NVIDIA GeForce 6600(300MHz) | |
ビデオメモリ | 256MB(500MHz) | |
ビデオドライバ | NVIDIA ForceWare 80(v81.89) | |
標準解像度 | 1024x768ドット、32ビットカラー | |
ハードディスク | WesterDigital WD360 | |
フォーマット | NTFS | |
OS | Windows XP Professional+ServicePack2+DirectX9.0c |
Athlon 64 FX-60がPentium Extreme Edition 965に及ばなかったSYSmark2004 SEのOffice ProductivityではAthlon 64 FX-62がついに上回った。ただ、後述するInternet Contents Creationほど性能は上がっていない。この結果を見る限り、2.6GHzから2.8GHzにクロックが上がった分の性能向上と考えられるだろう。ある意味妥当な結果だ。というのも、DDR2になったからといって、メモリのレイテンシ自体はあまり上がっていないからだ。増えたのはどちらかと言えば帯域幅でメモリの帯域幅を使うようなコンテンツ作成系には意味があると思われるが、メモリレイテンシが影響するこうしたオフィスアプリケーションにはあまり効果がないからだ(このあたりは、インテルがDDR2を導入したときにも同じような状況だった)。
SYSmark2004 SEのInternet Content CreationはAthlon 64 FX-60でもPentium XE 965を上回っていたが、FX-62になってさらに性能が向上した。すでに述べたように、メモリがDDR SDRAMからDDR2 SDRAMになって最も効果があるのはメモリ帯域幅の向上だ。そうしたメモリ帯域幅の向上はこうしたコンテンツクリエイション系でこそ効果があるので、Internet Content Creationの結果もそれを反映していると言えるだろう。
TMPGenc 3 XPress フレームレートのテストではTMPGenc3 XPressを利用して、8MbpsのMPEG-2を3MbpsのWMVに1パスでトランスコードする時間を計測し、時間でフレーム数を割ることでフレームレートを計算している。結果はFX-62がFX-60から性能が向上していることを示している。日本ではTV放送をPCで録画してWMV形式やDiVXなどにトランスコードすることが多いだけに、こうしたソフトウェアでの性能が高いのはFX-62にとって大きな優位点となる。
MAXON ComputerのCineBench 2003は、3Dの画面をレンダリングする処理でCPUの性能を計測するベンチマークプログラムだ。レンダリングはシングルCPU時とマルチCPU時の両方が計測されていている。こちらの結果も、シングルスレッドでのレンダリングとマルチスレッドでのレンダリングにおいてAthlon 64 FX-62はPentium XE 965を上回っている。
Futuremarkの3DMark03は総合スコアの3DMarkに関してはCPUよりもGPUに依存するので同じGPUを利用している今回の環境では差はほとんどない。3DゲームにおけるCPU処理能力を計測する3DMark03のCPUテストでも、Athlon 64 FX-62は最高性能を記録した。これは従来のFX-60と同じような結果と言える。
同じく3DMark05も総合数値である3DMarkに関しては、GPUの比重が高いためCPUの違いで大きな差はでていない。こちらのCPUテストではAthlon 64 FX-60がPentium XEに劣っていたが、Athlon 64 FX-62はわずかながらPentium XE 965を上回っている。
Final Fantasy XI Official Benchmark 3 Version 1.0はFinal Fantasy XIがどれほど快適に動作するかを診断するテストである。このテストにはマルチスレッド処理がほとんどないため(同じアーキテクチャ内であれば)クロックが速い順に結果もよくなっている。動作クロックが2.8GHzとなったAthlon 64 FX-62は、もっともよい結果を残している。
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