レビュー

VAIO S11・S13の「ALL BLACK EDITION」を2台まとめて徹底検証する(1/4 ページ)

第8世代Coreに独自チューニングを施し、さらなる性能向上を図った新しい「VAIO S11」と「VAIO S13」。その特別な新色モデルの「ALL BLACK EDITION」を2台まとめて徹底レビューする。

 VAIO S11とVAIO S13は、2017年秋にフルモデルチェンジを果たしたが、CPUについては、完成度や安定供給を重視し、(当時)発表されたばかりの第8世代Coreプロセッサではなく、第7世代Coreプロセッサ(開発コード名:Kaby Lake)を採用していた。

 今回のリフレッシュでは、その2017年秋モデルのボディーを継承しつつ、満を持して最新の第8世代Core(開発コード名:Kaby Lake R)を採用している。これに加えて独自のチューニング技術「VAIO TruePerformance」も搭載し、さらに性能を引き上げているのがポイントだ。

 また、VAIO S11とVAIO S13の特別な新色モデルとして、ハイエンド志向のユーザー向けに「ALL BLACK EDITION」も用意した。ボディーパーツを細部まで黒で統一しているのが目を引くこだわりのモデルだ。

advertisement

 今回はそのVAIO S11とS13のALL BLACK EDITIONを入手した。注目のビジュアルとパフォーマンスをじっくり検証していこう。


「VAIO S11」(左)と「VAIO S13」(右)がリフレッシュ。フルモデルチェンジした2017年秋モデルの基本設計を引き継ぎつつ、クアッドコアの第8世代Coreを採用し、さらに独自の高速化技術も導入している。今回レビューするのは特別仕様の「ALL BLACK EDITION」だ

細部まで黒で統一した「ALL BLACK EDITION」

 VAIO S11とVAIO S13のALL BLACK EDITIONは、文字通りオールブラックカラーであることが大きな特徴だ。通常のモデルではシルバーとなっている背面のオーナメントやVAIOロゴをブラックに変更し、USBコネクターの色までブラックに染めている。

 本体のみならず、特別なブラックの梱包(こんぽう)箱を用意し、ブラックのクリーニングクロスが付属するといった演出面での工夫も見られる。

 両機とも本体サイズは、2017年秋モデルから変わっていないが、基本スペックの変更に伴って放熱システムを強化(詳しくは後述)したため、重量は約10gずつ増した。

 VAIO S11 ALL BLACK EDITIONは本体サイズが約283.4(幅)×195.5(奥行き)×15~17.9(高さ)ミリで、重量が約850~870g。VAIO S13 ALL BLACK EDITIONは本体サイズが約320.4(幅)×216.6(奥行き)×15~17.9(高さ)ミリで、重量が約1.07kgだ。評価機の実測値は、前者が865g、後者が1061gと、いずれも公称値を下回っていた。

 ボディーは薄型軽量なだけではなく、2017年秋モデル同様に、90cm落下試験、本体ひねり試験、ペンはさみ試験、キーボード水かけ試験といった品質試験を開発時にクリアした堅牢性も兼ね備えている。

 また、UDカーボン(VAIO S11のみ)やアルミニウムのパームレストなど、体裁の重要部品を国内で調達し、国内(長野県安曇野市の自社工場)で組み立て、仕上げを行う「MADE IN JAPAN」モデルという点にもこだわっている。


VAIO S11(左)とVAIO S13(右)のALL BLACK EDITION。天面はつや消しのマットブラックで、VAIOのミラーロゴはブラックミラー仕様となっている

VAIO S11の天板は東レ製の「UDカーボン」だ。VAIO S13のマグネシウム合金天板と同等の強度を保ちつつ、約30%軽量化した

底面もつや消しのマットブラック。底面の素材はいずれも高剛性樹脂

前面。両モデルともサイズは2017年冬モデルと変わっていない

背面。デザインアイデンティティーであり、堅牢性にも貢献している背面のオーナメントもブラック。表面には粗めのヘアライン加工がされている

左側面。青色が使われることが多いUSB 3.0のコネクター部分もブラック。USB 3.0は左右の側面で合計3基と十分な数だが、Type-Cが1基もないのは好みが分かれるところ

右側面のインタフェースもブラックで統一されている。アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)や有線LAN、SDメモリーカードスロットといった最近のモバイルノートPCで省かれがちな装備があるのは、特にビジネスシーンで重宝するだろう

液晶ディスプレイは、VAIO S11が11.6型(低反射コート)、VAIO S13が13.3型(アンチグレア)を採用。表面仕上げが少し異なるが、いずれも外光の映り込みを抑えている。解像度はどちらも1920×1080ピクセル(フルHD)だ

ボディーはくさび型の「ウェッジシェイプ」を継承。液晶ディスプレイを開くと後部が持ち上がり、キーボードが打ちやすい角度になる「チルトアップヒンジ構造」も従来通りだ(写真はVAIO S13)。アルミニウムをヘアライン加工で仕上げたキーボードベゼル一体のパームレスト(東陽理化学研究所製フラットアルミパームレスト)は、光の当たり具合によってはやや青みがかって見える

キーボードは日本語配列に加えて、英字配列も選べる。VAIO S11はキーピッチが約16.95mmでキーストロークが約1.2mm、VAIO S13はキーピッチが約19mmでキーストロークが約1.2mmだ。S11はキーピッチがやや詰まっているが、いずれも自然なキーレイアウトで打ちにくい部分は見当たらない。タッチパッドはクリックボタン一体型ではなく、確実に押下できる2ボタン独立式だ

キーボードにはバックライトも内蔵。パームレストの右にはWindows Hello対応の指紋センサー(スタンバイからの復帰にも対応)も備えている

2台重ねてみた様子。モバイルシーンでのフットプリントの小ささ、ボディーの軽さを重視するならば、VAIO S11が有利となる。VAIO S13は携帯性と使い勝手のバランスを重視した設計だ

ALL BLACK EDITIONにはブラックのクリーニングクロスも添付される(写真のクロスは実際の製品と異なる)
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.