XPS M2010はノートPCとして最大となる20インチワイド液晶ディスプレイもさることながら、やはりその類まれなるスタイルに多くのユーザーは注目するだろう。International CES 2006におけるインテルのキーノートスピーチでゲストのマイケル・デル氏がこのノートPCを持って登場したとき、その場にいた聴衆の多くはM2010(当時はこういった名前すらなかった)はコンセプトモデルで市場に登場するのはまだまだ先と考えていたはずだ。
デルは、CESのプライベートルームでもM2010を詳しく説明している。そこで紹介された分離型のキーボードやヒンジが取っ手になるデザイン、わずかに跳ね上がるスロットイン光学ドライブのギミック、そして20.1インチワイド液晶ディスプレイという斬新すぎるデザインからもこのノートPCは「コンセプトマシン」である、といった雰囲気を醸しだしていた。
このように「まだまだ先」と思っていた(M1710とは別な意味での)モンスターノートPCが、早くも日本の市場に登場する。出荷はボーナス商戦真っ只中の6月下旬であるが、先日のフォトレビューに引き続いて、そのデザインがもたらす使い勝手と実はM1710にも匹敵する高いパフォーマンスを紹介しよう。なお、今回は試作機を短時間で評価したため、製品版とは異なる部分が多々ある。とくにソフトウェア周りでその傾向が著しかったためこの記事ではその部分については詳しく言及していない。
M2010で最も目を引くスペックが「20.1インチ」というノートPCでは最大級となる液晶ディスプレイだ。小ぶりな液晶一体型デスクトップPCにも匹敵するサイズだが、最近の大型ディスプレイを搭載した「フルHD」対応をうたうAV重視タイプノートPCの解像度が「1920×1200ドット」であるのと比べるとXPS M2010は1680×1050ドットとやや控えめな解像度となっている。
液晶ディスプレイの視野角は上下左右いずれも良好だ。色の変化もほとんど見らない。デルの資料によるとディスプレイの視野角は上下、左右ともに170度となっている。これなら複数の人数で集まって映画を見ても「端っこで何がなんだかわからん」ということもない。XPS M1210のレビュー記事では離れたソファーで姿勢を変えるたびにディスプレイの角度を変えなければならなかったが、M2010ではその必要もないだろう。
キーボードはセパレートタイプで本体とはBluetoothで接続している。Bluetooth接続のワイヤレスマウスも用意されているが、キーボードユニットにもタッチパッドのポインティングデバイスを搭載しているので、「離れたソファーから寝転んでPCを操作したい」ときでもマウスカーソルの操作は容易だ(テーブルがないと光学マウスは使いようがないので、“寝込んで操作”という場合は意外と不便なのだ)。
メディアプレーヤーのコントロールボタンは完全にフラットなパネルになっている。デルの説明では「圧力検知式」となっているが、その挙動は強く押し付けずとも“触れただけ”で認識してくれる。
BTOではOSにWindows XP MCEも用意されている。このモデルではOS起動中に「Dell Media Direct」ボタンを押すとメディアセンターが起動する。ところが、光学ドライブに直接メディアを挿入するとサードパーティ製のCinePlayが動いてしまう。このあたりの「不統一」は製品版では初期状態で訂正されていることを期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.