ビジネスだけではもったいない。高品質で汎用性も高い21.3インチ液晶ディスプレイ──FlexScan S2100(2/2 ページ)

» 2006年06月23日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),PR/ITmedia]
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ビジネス向けとしては十分すぎるほどの性能と機能

 スタンドは「ハイトアジャスタブルスタンド」で、高さ調節(82mm)、チルト(下0度/上40度)、スイーベル(左右35度)のほか、画面を縦回転するローテーション機能を持つ。ちなみにハイトアジャスタブルスタンドは、FlexScan L997のレビューでも触れているが、画面の位置をもう少し下にできるとよかった。最低に下げても、ベゼルの下部と机上の距離が約110mmほどある。机とイスの高さ、ユーザー自身の身長によっては、画面の位置が少し高く感じられるかもしれない。

高さ調節、チルト、スイーベル、ローテーションが可能な「ハイトアジャスタブルスタンド」。ケーブルをネック部にまとめられるため、見た目もスマートだ

 ローテーション機能は、画面を縦長の1200×1600ドット表示で使うものだ。FlexScan L997が備える「ActiveRotation II」ではないので、画面を縦長表示にするには、ディスプレイドライバの機能や専用ツールを使うことになる。Windows XPの場合は、インテルのチップセット内蔵グラフィックス、ATI TechnologiesのRADEONシリーズのドライバ「Catalyst」、nVIDIAのGeForceシリーズのドライバ「ForceWare」など、ほとんどのディスプレイドライバが縦回転をサポートしている。

縦位置で撮った写真を表示した例。横長表示()では天地が切れてしまう写真でも、縦長表示()にすれば全体を一望できる
写真素材提供:LinkStyle

 UXGA以下の解像度を表示する場合は、フルスクリーン拡大、アスペクト比を保持した拡大、実ドット(ドットバイドット)のいずれかが選べる。画面のアスペクト比が4:3ということもあって、いろいろな場面で重宝する機能だ。表示方法はデジタル接続とアナログ接続で共通となる。

S2100のOSDで「フルスクリーン」(フルスクリーン拡大)、「拡大」(アスペクト比を保持した拡大)、「ノーマル」(実ドット)の3種類の表示方法が選べる

 用途に合わせたプリセット画面モードの「FineContrast」は、「Text」、「Picture」、「Movie」、「Custom」、「sRGB」の5種類だ。前面の「M」ボタンで直接切り替えられる。

前面のボタン類は、タッチセンサーではなく一般的なプッシュ式。左から順に、入力切り替えボタン(「S」)、FineContrastモード変更ボタン(「M」)、アナログ入力の自動調整ボタン(「A」)、決定ボタン、上/下/左/右ボタン、電源ボタンだ。輝度は左/右ボタンでダイレクト調整できる。入力切替ボタンの左側にあるのは、周囲の明るさを検知するセンサーだ。これにより、輝度を自動調整(BrightRegulator機能)できる。BrightRegulator機能は、OSDで無効にすることも可能だ

 画質の調整項目も、FlexScanシリーズではお馴染みの内容だ。輝度、色温度(4000K〜10000Kまで500K単位、9300K)、ガンマ調整、色の濃さ、色合い、RGB各色のゲインである。すべての調整項目を変更できるのは、FineContrastのCustomモードだ。RGB/CYMの6色独立調整はないが、S2100の位置付けを考えれば妥当なところだろう。

 FineContrastのモード変更と調整項目の設定は、付属ツールの「ScreenManagerPro for LCD」からでも行える。FineContrastモードと任意のアプリケーションを関連付けておき、アプリケーション起動と同時にFineContrastモードを変更する「Auto FineContrast」も可能だ。

 また、FineContrastモードと調整項目の設定は、デジタル/アナログ入力(DVI-I)とアナログ入力(D-Sub15ピン)で別々に記憶される。EIZO製品のレビューでは必ず触れているが、この機能がないと2系統入力の使い勝手がかなり悪くなる。なお、FlexScan L997の特徴的な機能である、2系統入力の画面をピクチャー・イン・ピクチャーで同時に表示する「ActiveShot」は、S2100は持っていない。

静止画も動画も高品質な表示

 画質は輝度100%のsRGBモードでチェックした。静止画から述べると、色の再現性も階調性も優秀で、内部10ビットガンマ補正の効力が見て取れる。黒から白の連続グラデーション(RGB画像)では、わずかにトーンジャンプが見られたが、ほとんど気にならない程度だ。グレースケール画像の黒白グラデーションなら、トーンジャンプは皆無に近い。

 カラーチャートと色見本による簡単な色チェックも満足できるものだ。液晶パネルがVA系なので、IPS系よりは視野角による色の変化は大きいが、TN系よりはずっと少ない。求めるレベルにもよるが、グラフィック作業も十分こなせるだろう。

 動画の表示性能もまずまずだ。画面が大きい割には、実写映像、アニメ映像とも、残像感はそれほど気にならない。応答速度は黒白間が16ms、中間階調が8ms(オーバードライブ搭載)と最速クラスではないのだが、残像感の「出方」は少ないほうだと感じた。アクション系のゲームについては、おもに背景が素早く動くときに、多少のブレを感じるのは仕方のないところだ。

個人ユーザーもぜひ検討を

 冒頭でも述べたように、位置付け的には「ビジネス用途メイン」だが、個人用に選んでも決して損のない液晶ディスプレイだ。純粋なビジネス向けとしては、ここまでの画質や機能はいらないのではないかと思わせるクオリティがある(業種にもよるので一概には言えないが)。

 もちろん、仕事用としてはUXGAの広い画面がすぐに役立つ。予算的な問題はひとまず置いておくにしろ、20インチ以上のUXGAモデルを検討しているなら、仕事用でも個人用でも強力な候補になる。

 なお、画面サイズが一回り小さくなるが、20.1インチのS2000にも注目だ。今回は実機には触れていないが、スペックはS2100とほぼ変わらず、VA系の液晶パネルということもあって、S2100と同等の画質が期待できる。価格が10万円を切るのも、大きなポイントだろう。なるべく早い機会に紹介したい。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年3月31日